
はじめに:なぜ、あなたの肌や髪は老化するのか?
鏡を見て、「最近、肌のハリがなくなってきた」「シミが増えた気がする」「髪にツヤがなくなってきた」と感じたことはありませんか?これらはすべて、私たちの体内で起こる「酸化」、つまり「サビ」が原因かもしれません。私たちの体は常に酸素を消費して活動していますが、その過程で「活性酸素」という、細胞にダメージを与える物質が生成されます。これが、肌の老化や髪のパサつき、ひいては様々な体調不良につながる「サビ」の正体です。
しかし、心配はいりません。私たちの体には本来、この活性酸素から身を守るための「抗酸化システム」が備わっています。さらに、化粧品やシャンプーには、この体の抗酸化システムを強力にサポートする「抗酸化成分」が豊富に配合されています。
本記事では、美容成分の専門家である私が、信頼できるデータに基づいて、抗酸化成分の基本的な知識から、その多様な種類と働き、安全性、そして賢い製品選びのポイントまで、徹底的に解説します。この記事を読めば、あなたは今日から「抗酸化成分」の真の価値を理解し、肌と髪の未来を守るための賢い選択ができるようになるでしょう。
抗酸化成分とは?「サビ」から肌と髪を守る救世主
活性酸素と酸化ストレス:美容の大敵を知る
私たちの体内では、呼吸や食事、運動といった通常の生命活動の過程で、微量の活性酸素が常に発生しています。また、紫外線、大気汚染、ストレス、喫煙、過度な飲酒なども、活性酸素の発生を促進する要因となります。
この活性酸素は、量が増えすぎると、細胞膜、DNA、タンパク質など、体の重要な構成要素を攻撃し、ダメージを与えます。このダメージが、まるで金属がサビるように、体の機能を低下させていく現象が「酸化ストレス」です。
美容における酸化ストレスの影響は計り知れません。
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肌への影響: コラーゲンやエラスチンといった肌のハリや弾力を保つ成分を破壊し、シワやたるみを引き起こします。メラニン色素の生成を促し、シミやくすみの原因にもなります。また、肌のバリア機能を低下させ、乾燥や敏感肌につながることもあります。
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髪への影響: 頭皮の老化を早め、薄毛や白髪の原因となることがあります。髪のキューティクルや内部構造を傷つけ、パサつき、ゴワつき、ツヤのなさ、カラーの退色などを引き起こします。
抗酸化成分の定義と働き:ダメージを無力化する盾
「抗酸化成分」とは、このような活性酸素の働きを抑制したり、発生そのものを防いだり、あるいは活性酸素によって生じたダメージを修復したりする作用を持つ成分の総称です。まるで、肌や髪を「サビ」から守るための強力な盾のような存在です。
抗酸化成分の主な働きは以下の通りです。
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活性酸素の除去: 発生した活性酸素を無害な物質に変えることで、細胞へのダメージを防ぎます。
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活性酸素の生成抑制: 活性酸素が発生しにくい環境を作ることで、その量をコントロールします。
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ダメージの修復: 活性酸素によってダメージを受けた細胞や組織の修復をサポートします。
化粧品やシャンプーに配合される抗酸化成分は、直接肌や髪に塗布されることで、外部からの酸化ストレス(紫外線や大気汚染など)に対してバリアを形成し、また肌内部の酸化プロセスをサポートする役割が期待されています。
化粧品・シャンプーにおける抗酸化成分の種類と効果
抗酸化成分には様々な種類があり、それぞれ異なる特性と得意分野を持っています。ここでは、美容製品によく配合される代表的な抗酸化成分とその効果について解説します。
ビタミン類:美容の王道、マルチな抗酸化作用
ビタミン類は、最も広く知られ、研究も進んでいる抗酸化成分です。
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ビタミンC(アスコルビン酸、アスコルビルリン酸Mgなど誘導体含む): 強力な抗酸化作用を持ち、活性酸素を直接除去します。さらに、メラニン生成を抑制してシミ・そばかすを防ぐ美白効果、コラーゲン生成を促進して肌のハリを高める効果も期待できます。水溶性で安定性が課題となることがありますが、化粧品では安定化させた誘導体が広く使われています。
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ビタミンE(トコフェロール、酢酸トコフェロールなど誘導体含む): 脂溶性の抗酸化ビタミンで、「若返りのビタミン」とも呼ばれます。細胞膜の酸化を防ぐことに優れ、ビタミンCと併用することで相乗効果を発揮すると言われています。肌の血行促進やバリア機能のサポート効果も期待されます。
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プロビタミンB5(パンテノール): ビタミンB群の一種で、抗炎症作用や肌のバリア機能修復作用を持ちます。直接的な抗酸化力は高くないものの、健やかな肌環境を整えることで、酸化ダメージを受けにくい肌へと導きます。
ポリフェノール類:植物の持つ強力な守護者
植物が自身を紫外線や害虫から守るために生成する成分で、その強力な抗酸化作用が美容にも応用されています。
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カテキン(チャ葉エキスなど): 緑茶に豊富に含まれるポリフェノールの一種で、高い抗酸化力と抗炎症作用を持ちます。肌の引き締めや、皮脂分泌の抑制効果も期待されます。
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レスベラトロール(ブドウエキスなど): 赤ワインやブドウの皮に含まれるポリフェノールで、「長寿遺伝子」との関連でも注目されています。強力な抗酸化作用に加え、肌のエイジングケア効果が期待されます。
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イソフラボン(ダイズ種子エキスなど): 大豆に含まれるポリフェノールで、女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをすることから、肌のハリや潤いを保つエイジングケア成分として注目されています。抗酸化作用も持ちます。
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アントシアニン(ビルベリー葉エキスなど): ブルーベリーやビルベリーなどに含まれる色素成分で、非常に強い抗酸化力を持つことで知られています。
その他多様な抗酸化成分:次世代の注目成分
上記以外にも、様々なユニークな抗酸化成分が化粧品やシャンプーに配合されています。
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コエンザイムQ10(ユビキノン): 体内で生成される補酵素で、エネルギー産生に関わり、強力な抗酸化作用を持ちます。エイジングケア製品に多く配合され、肌のハリや弾力維持に貢献します。
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アスタキサンチン: サケやエビ、カニなどに含まれる赤い色素成分で、非常に高い抗酸化力を持つことで知られています。ビタミンEの数百倍とも言われる抗酸化力があり、肌の光老化対策にも注目されています。
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フラーレン: サッカーボールのようなC60の構造を持つ炭素の同素体で、安定した強力な抗酸化作用が特徴です。肌の活性酸素を効率的に吸着・除去すると言われています。
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EGF(ヒトオリゴペプチド-1): 活性酸素を直接除去するわけではありませんが、肌のターンオーバーを促進し、ダメージを受けた細胞の修復を助けることで、間接的に酸化ストレスの影響を軽減します。
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SOD(スーパーオキシドジスムターゼ): 体内に存在する酵素の一種で、活性酸素を分解する能力を持ちます。化粧品では、この酵素を模倣した成分や、SODの働きをサポートする成分が配合されることがあります。
これらの抗酸化成分は、単独で効果を発揮するだけでなく、複数を組み合わせることで、より幅広い種類の活性酸素に対応し、相乗効果を生み出すことが期待されます。
抗酸化成分の安全性と効果的な選び方
どんなに優れた成分でも、その安全性や効果的な使い方を知らなければ意味がありません。
抗酸化成分の安全性:刺激やアレルギーのリスクは?
化粧品に配合される抗酸化成分は、一般的に安全性が高く、多くの製品に安心して使用されています。各国・地域の規制機関によって、厳格な安全性評価が行われ、適切な濃度で使用される限り、皮膚刺激性やアレルギー反応を引き起こすリスクは低いとされています。
しかし、以下の点に留意することも重要です。
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高濃度配合: 例えば、高濃度のビタミンC誘導体は、敏感肌の方には刺激を感じる場合があります。初めて使用する際は、低濃度から試すか、パッチテストを行うことをお勧めします。
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安定性: 抗酸化成分は、その性質上、光や熱、酸素に弱く、不安定なものもあります。製品の容器(遮光瓶やエアレス容器など)や保存方法も、成分の安定性に影響を与えます。安定性の高い誘導体や、安定化技術を用いた製品を選ぶことが賢明です。
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酸化による変質: 製品自体が酸化すると、成分の効果が低下するだけでなく、肌に刺激を与える可能性もあります。開封後は早めに使い切ることが推奨されます。
あなたの肌と髪に合った製品を選ぶヒント
抗酸化成分を効果的に取り入れるための製品選びのポイントをご紹介します。
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成分表示を確認する: 配合量の多い順に記載されている成分表示で、上記の抗酸化成分が含まれているかを確認しましょう。複数の抗酸化成分が配合されている製品は、より多角的なアプローチが期待できます。
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製品のテクスチャーと安定性: 使用感は、製品を継続して使う上で非常に重要です。また、製品が適切に安定化されているか(例えば、ビタミンC製品であれば遮光容器に入っているかなど)も確認しましょう。
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肌悩みや目的で選ぶ:
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紫外線対策との併用: 紫外線は活性酸素を大量に発生させる最大の原因の一つです。どんなに優れた抗酸化成分を配合した化粧品を使っても、紫外線対策(日焼け止め、帽子、日傘など)を怠れば効果は半減します。抗酸化成分配合製品と紫外線対策は、セットで考えることが重要です。
抗酸化物質
フラボノイド(ポリフェノール)
フラボノイドは、天然に存在している有機化合物の総称で、色素や苦み物質で、ポリフェノールの一部を占めている成分です。かつてはビタミンPと呼ばれていたが、現在はビタミン様物質とされているものです。多くは植物が自身を守るためにつくられた天然の抗酸化物質で一般的に7000種類以上あるといわれています。
活性酸素の中でも一重項酸素とよばれる紫外線の反応で発生する活性酸素を中和および除去するのに優れたものです。紫外線を多く浴びる植物に多く含まれています。
- ビルベリー果実エキス
- アントシアニン・・・ぶどうの皮
- イソフラボン・・・大豆(ダイズ種子エキス)
- ケルセチン・・・タマネギ
- カテキン・・・緑茶
- テアフラミン・・・紅茶
- セサミン・・・ゴマ
- セサミノール・・・ゴマ
非フラボノイド(ポリフェノール)
ポリフェノールには、フラボノイド以外にも抗酸化物質が多く含まれています。
- クロロゲン酸・・・コーヒー(焙煎が強いと減少する。)
- クルクミン・・・ウコン・ターメリック(タクワン、カレーの着色に使用するもの)
- フェルラ酸・・・米ぬか(コメヌカ油)
イオウ化合物
- アリシン・・・ニンニク(ニンニク根エキス)
- イソアリシン・・・ネギ
カロテノイド
βカロテンのように体内で、ビタミンAに変化するものもありますが、変化するのは一部で、大多数は、独自の抗酸化物質として使われています。
- α-カロテン・・・ニンジンの葉、黄ピーマンなど緑黄色野菜
- β-カロテン・・・ニンジン、ほうれん草、小松菜
- β-クリプトキサンチン・・・温州みかん、パプリカ、柿
代表的な抗酸化成分
アルガニアスピノサ核油
アルガニアスピノサ核油は、モロッコ原産のアカテツ科の樹木アルガンのアーモンドに似た種子から取れる油成分です。アルガニアスピノサ核油は化粧品表示名ですが、一般的にアルガンオイルと呼ばれているものです。主成分としては、オレイン酸、リノール酸などの不飽和脂肪酸が含まれている事で、抗酸化性のある成分です。
アルニカ花エキス
アルニカ花エキスはヨーロッパ原産で山地の牧草地に生えるキク科の多年草でアルニカ(日本では、ウサギギク)と呼ばれる保湿成分です。
エイジツエキス
エイジツエキスは、バラ科のノイバラ(野茨)の果実から無水アルコールまたはBGで抽出したエキスで、特異臭のある黄褐色の透明な液体です。主成分はクエルセチンなどのフラボノイドを始め、リコピン、ビタミン類などの成分が含まれており抗酸化性のある成分です。
オーキッドエキス
オーキッドエキスは、ラン(デンドロビウム、レリオカトレヤ、ブラッソカトレヤ)の花をBGなどで抽出したエキスで、抗酸化力の強い成分です。
オタネニンジン根エキス
オタネニンジン根エキスは、オタネニンジンの根から抽出されたエキスです。オタネニンジン 一般名としては、”朝鮮人参(ちょうせんにんじん)”、”高麗人参(こうらいにんじん)”と呼ばれているもので、ウコギ科の多年草です。韓国や中国を中心に栽培されている植物です。主成分としてのジンノセサイドによる抗酸化作用のある成分です。
加水分解ケラチン(羊毛)
加水分解ケラチン(羊毛)は、もともと肌の材料である、ケラチンから出来ているため、肌への相溶性が非常に高い特長がある抗酸化成分です。
加水分解シルク
加水分解シルクは、蚕の絹繊維を構成するタンパク質である、フィブロインやセリシンを加水分解して作られる可溶性タンパク質です。水、エタノールそしてBGなどに可溶な水溶液で、類白色から黄褐色で少し特異なニオイがあります。グリシン、アラニン、セリン、チロシンなどのアミノ酸やポリペプチドなどが多く含まれている抗酸化成分です。
カラメル
カラメルは、砂糖と水を一定以上熱する事で出来る茶褐色の粘性液体で、褐色が強いほど味としては、苦みが多くなるが、一方で抗酸化作用が強くなると言われています。これは、還元糖とアミノ酸のメイラード反応で生じるメラノイジンほどでは無いが、抗酸化作用を有する事が成分です。
カモミラエキス
カモミラエキスは、キク科のカミツレの花(カモミール)の花から抽出されたエキスで、カミツレエキス、カミツレ花エキスなどとも呼ばれています。カモミールはもともと、ギリシア語で「大地のりんご」と呼ばれており、リンゴに似た香りを持っています。カモミールから抽出されたエキスの主成分のひとつである、カマズレンには殺菌、抗炎症作用があます。またアミノ酸の他、タンニン、フラボノイドが含まれており、抗酸化作用のある成分となっています。
カンゾウ根エキス
カンゾウ根エキスは、豆科の多年草であるカンゾン(甘草)の根から抽出されたエキスです。カンゾウ(甘草)の有効成分は、グリチルリチン、ブドウ糖、ショ糖などの甘み成分で、漢方薬の生薬として古来より抗酸化性の高い成分です。
コエンザイムQ10
コエンザイムQ10は、かつてはビタミンQと言われていた脂溶性ビタミン様成分で、日本語で言うと補酵素の事を表します。ビタミンEと同様に強い抗酸化作用がある成分です。体内で産生する事ができる成分のため、非必須栄養素ではありますが、ATP産生に関係している事で、体内で足りなくなると元気がなくなるなどの現象がおこります。
また、老化に密接に関係していると言われ、コエンザイムQ10が減少する事で、心疾患、高血圧、歯周病、免疫力の低下、糖尿病、老化防止、パーキンソン病、そして抗がん剤の副作用の増加などが発生すると言われています。
コエンザイムQ10は、脂溶性ビタミン様物質ですので、油脂を多く含む大豆、くるみ、アーモンド、ほうれん草、イワシなどの青魚などに比較的多く含まれており、食品で取る場合過剰摂取の心配が無いのも特長です。
ゴボウエキスまたはコボウ根エキス
ゴボウエキスに多く含まれている成分としてタンニンがあります。タンニンをポリフェノールの一種で、抗酸化作用を持っている成分です。
コメヌカ油
コメヌカ油は、イネ科イネ属の植物で、種子の外側にある籾殻と内側にある胚乳部分(白米)とを除いた糠層と杯の部分で、一般的に米糠(こめぬか)と呼ばれる部分から抽出された脂肪油で淡黄色の液状オイルで、不飽和脂肪酸であるオレイン酸(41.2%)、リノール酸(37.5%)を豊富に含む植物性オイルで高い抗酸化力のある成分です。
シア脂(シアバター)
シア脂(シアバター)は、中央アフリカに自生するアカテツ科のシアバターノキの種子の胚から抽出する白色から淡黄色の油脂成分で常温では固体です。ただ融点が、28から45℃と低いため、バターのように体温レベルで溶けてしまう性質のある成分です。主成分はオレイン酸、ステアリン酸などが含まれている抗酸化性のある成分です。
ショウガ根茎エキス
ショウガ根茎エキスは、ショウガ科の多年草のショウガ(生姜)の根茎から抽出されたエキスです。抗酸化作用のある成分です。
スギナエキス
スギナエキスは、シダ植物門トクサ綱トクサ目トクサ科トクサ属のスギナの全草から抽出したエキスです。国内で生息するシダ植物トクサ属の中で最小の種類で湿気の多い土壌を好んで、地下茎を伸ばして繁殖する。栄養茎の部分をスギナ、胞子茎の部分をつくし土筆(つくし)と呼んで一般的に食用として使用するもので、抗酸化作用のある成分です。
セージエキス
セージエキスは、シソ科サルビア属である、セージの全草から抽出されたエキスで、シネオール、フラボノイド、タンニン、カルノシン酸、ルテオリン、リナロール、ビタミンB6、鉄等などの作用により抗酸化作用のある成分です。
セイヨウノコギリソウエキス
セイヨウノコギリソウエキスは、キク科ノコギリソウ属の多年草である、ノコギリソウから抽出したエキスです。別名ヤロウと呼ばれる事で、ヤロウエキスとも呼ばれています。アズレン、ピネン、リモネン、カンファーなどの主成分の効果、効能により抗酸化作用のある成分です。
ゼニアオイエキス
ゼニアオイエキスは、ウスベニアオイエキスとも呼ばれており、アオイ科の植物である、ゼニアオイやと呼ばれの花と葉から抽出されるエキスです。またタニンやアントシアニンといった、ポリフェノールの効果によって抗酸化力のある成分です。
センブリエキス
センブリエキスの有効成分である、スウェルチアマリン、キトサン、ゲンチオピクロシドは、抗炎症作用や抗酸化作用のある成分です。
トウキエキス
トウキエキスは、セリ科シシウド属の多年草である、トウキ(当帰)の根から水、エタノール、BGなどで抽出されたエキスです。またスクワランで抽出する場合もあります。主成分は、フタリ誘導体のリグスチリド、精油成分のフタライド類、クマリン類などが含まれている抗酸化成分です。
トコフェリルリン酸Na
トコフェリルリン酸Naは、省略してTPNaとも呼ばれるビタミンE誘導体とも呼ばれる成分です。ビタミンE(α-トコフェロール)を水にも溶解が可能な両親媒性で抗酸化成分です。
ニンニク根エキス
ニンニク根エキスは、ニンニクの球根から抽出したエキスで、ニンニクエキスに含まれるアリシン、S-アリルステインは、強い抗酸化力を持った成分です。
バオバブ種子油
バオバブ種子油は、バオバブの種子から抽出したエキスです。オレイン酸36%、リノール酸27.5%と不飽和脂肪酸を多く含んでいる抗酸化成分
ハマメリスエキス
ハマメリスエキスは、マンサク科マンサク属の落葉小高木の植物であるアメリカマンサク(ハマメリス)の葉や樹皮から抽出した成分です。主成分はタンニン、サポニン、フラボノイドなどで抗酸化作用のある成分です。
馬油
馬油は、馬の脂肪から抽出した油脂から抽出した油脂で、オレイン酸など不飽和脂肪酸など抗酸化性のある成分です。
パルミチン酸レチノール
パルミチン酸レチノールは不安定なビタミンAレチノールを安定化させた抗酸化成分です。
ビタミンA
ビタミンAは、レチノール、レチナール、レチノイン酸などの総称で、脂溶性ビタミンの一種です。緑黄色野菜などに含まれているβ-カロテンが体内に入ると小腸上皮細胞にてビタミンAに変化するものです。また脂溶性ビタミンのため、吸収されにくいため、油脂分とる事で吸収しやすくなります。
ビタミンAは、足りなくなる事で、薄暗い処で見えにくくなる暗順応障害や夜盲症になったり、肌や粘膜が乾燥したり、角質化しやすくなったりします。子供の場合は成長が止まる場合があります。
一方で過剰摂取すると、頭痛、筋肉痛、食欲不振、脱毛症などの健康障害が発生すると言われています。ビタミンAの主成分であるレチノールは、鶏や豚のレバーなどの肝臓部分に比較的多く含まれており、味付け海苔などにも含まれているものです。
ビタミンC
ビタミンCは、多くの植物、動物などから摂取する事が出来る水溶性ビタミンです。化学名としては、L-アスコルビン酸の事を指します。抗酸化力が非常に強く、活性酸素を効率的に中和する事ができ、細胞や組織を中和する事ができます。但し、水溶性ビタミンのため過剰に摂取しても余ったものは、尿などから排泄してしまうため、毎日摂取が必要なものです。
鉄やカルシウムなどのミネラル分の吸収には欠かせないもので、ビタミンCの多い食品としては、赤ピーマン、黄ピーマン、ゆずなどに比較的多く含まれています。食事からの過剰摂取は大きな問題は無いが、サプリメントや点滴、注射などは、場合によって問題となるケースがあります。
化粧品では、比較的多く使用されているもので、活性酸素の中和目的の他に酸化防止剤としても使用されています。
ビタミンE
ビタミンEは、抗酸化力の強い脂溶性ビタミンで、抗酸化力の強く、細胞膜のリン脂質の酸化を防ぐ事ができるもので、過酸化脂質の発生を抑えてくれます。過酸化脂質も活性酸素のひとつで、細胞をキズつける事で様々な病気の引き金となるものです。
同じ抗酸化剤である、ビタミンAやビタミンCと一緒に取る事で相乗効果がみられます。
茶葉、とうがらし、アーモンドなどに比較的多く含まれており、サンフラワー、とうもろこしなどにも含まれています。
化粧品では、酸化防止剤として比較的多く使用されている成分です。
ヒマワリ種子エキス
ヒマワリ種子エキスは、ヒマワリの種子から抽出されたエキスです。ヒマワリ種子エキスには、イソクロロゲン、クロロゲンといった抗酸化物質、不飽和脂肪酸てあるオレイン酸、リノール酸、ビタミンA、D、ビタミンE、カルシウム、鉄、亜鉛、リン、カリウムなどのミネラルも豊富に含まれておる抗酸化成分です。
プルケネチアボルビリス種子油
プルケネチアボルビリス種子油は、アマゾン原産の緑色した星形のサチャインチやグリーンナッツと呼ばれるナッツから抽出したエキスでインチカオイルとも呼ばれているもので、オメガ3やビタミンEを多く含む抗酸化成分です。
腐植土発酵液
腐植土抽出物は、8000年前の地層で熟成された腐植土を発酵、熟成して生成した抗菌性、抗酸化性の優れたエキスです。
マルチトール
マルチトールは、麦芽糖(マルトース)を原料として酵素糖化法にて高圧下での水素により接触還元で作られたもので、抗酸化作用のある成分です。
マンダリンオレンジ果皮エキス(チンピエキス)
マンダリンオレンジ果皮エキスは、マンダリンオレンジ(Citrus reticulata)和名温州ミカンの果皮から抽出したエキスで精油成分のリモネン、フラボン配糖体のヘスペリジン、ナリンギン、ノビレチン、アルカイドのシネフリン、その他クエン酸、ペクチンなどが含まれている抗酸化成分です。
メドウフォーム油
メドウフォーム油は、リムナンテス科の植物であるメドウフォームの種子から抽出した、淡黄色のオイル成分てす。そのため正確にはメドウフォーム種子油(Meadowfoam Seed Oil)と言われています。不飽和脂肪酸が95%以上含まれており、抗酸化力のある成分になります。
メドウフォーム-δ-ラクトン
メドウフォーム-δ-ラクトンはメデウフォーム種子油をラクトン誘導体としたもので、主成分がエイコセン酸と呼ばれる99%が不飽和脂肪酸で構成されている抗酸化成分です。
ラッカセイ種皮エキス
ラッカセイ種皮エキスは、落花生の種皮から抽出されたエキスで非常に貴重な栄養素が多く含まれており、数多くの生理活性成分が含まれており、抗酸化作用のある成分です。
リンゴ果実エキス
リンゴ果実エキスは、バラ科の植物であるリンゴの果実から、BG(ブチレングリコール)、PG(プロピレングリコール)などによって抽出したエキスで、成分としては、リンゴ酸、クエン酸などが含まれている抗酸化成分
ルイボスエキス
ルイボスエキスは、マメ科のの植物であるアスパラサスリネアリス(ルイボス)の全草から抽出したエキスで抗酸化性のある成分です。
レモン果実エキス
レモン果実エキスの主成分は、ビタミンCが非常に多く含まれている事で、抗酸化性のある成分です。
ローズ水(ローズウォーター)
ローズ水(ローズウォーター)は、バラの花を水蒸気蒸留によって抽出した精油エキスなどの副産物で、抗酸化作用のある成分です。
ローズマリーエキスとは
ローズマリーエキスは、シソ科マンネイロウ属の植物で、地中海沿岸地域、特にフランス、ユーゴスラビアが原産地で現在世界中に広がっている常緑の多年草から抽出されたもので、主成分のひとつであるカルノシン酸(ロスマリネシン)による抗酸化作用のある成分です。
抗酸化物質の注意
食品として抗酸化物質を取得する場合、一部を除いて過剰摂取になる事はほぼありません。そのために食事から多くの種類の抗酸化物質をとりましょう。
また不足分については、サプリメントで適当量摂取するようにして、取り過ぎに注意してください。
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まとめ:抗酸化成分で未来の美しさを守る
「抗酸化成分」は、私たちが日々直面する「酸化ストレス」という美容の大敵から、肌や髪を守るための強力な味方です。ビタミンCやE、コエンザイムQ10、ポリフェノール類、アスタキサンチンなど、その種類は多岐にわたり、それぞれが異なるメカニズムで活性酸素を無力化し、ダメージを修復・予防します。
これらの成分は、肌のシワ、たるみ、シミ、くすみといったエイジングサインの改善だけでなく、髪のツヤやまとまり、カラーの持続性にも貢献します。適切に選ばれた抗酸化成分配合の化粧品やシャンプーは、あなたの美しさを現在だけでなく、未来にわたって守るための重要な投資となるでしょう。
これからは、製品選びの際に「抗酸化成分」という視点を取り入れてみてください。あなたの肌や髪が、いつまでも若々しく、健やかに輝き続けるために、この「サビ」との戦いを味方につけましょう。
参考資料
日本化粧品工業連合会 (JCIA) 公式ウェブサイト: 化粧品成分の安全性情報や表示に関するガイドライン。
Cosmetic Ingredient Review (CIR) Expert Panel Reports: 化粧品成分の安全性評価に関する詳細な科学的報告書。特に、各ビタミンやポリフェノールに関する報告書。
『化粧品成分表示名称辞典』(日本化粧品技術者会編、中央書院など): 化粧品成分の国際的な表示名称と、その機能や特徴に関する解説。
国際化粧品原料表示名称 (INCI) データベース: 世界中で使用される化粧品原料の標準的な表示名称。
『皮膚科学』や『美容皮膚科学』に関する専門書籍: 皮膚の老化メカニズムと抗酸化作用に関する詳細な情報。
各化粧品メーカーおよび原料メーカーの公式ウェブサイト、研究論文: 個々の成分の特性や最新の研究成果に関する情報。
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