[コカミドプロピルベタイン(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液)]安全性の高いコンディショニング成分

コカミドプロピルベタインは、両性界面活性剤といわれて、アルカリ性の場所、酸性の場所両方で性質がことなる特長があります。また、非常に安全性が高いため、ベビーシャンプーにも使用されている、ものです。洗浄剤、ヘアーコンディショニング、保湿効果のある成分です。

コカミドプロピルベタイン(cocamidopropyl betaine)

成分評価　3

コカミドプロピルベタインとは

コカミドプロピルベタイン(cocamidopropyl betaine)は、ヤシ油由来の脂肪酸とビート(サトウダイコン)から取れるベタイン(トリメチルグリシン)を合成させて作られた両性界面活性剤で、組成名としては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン水溶液という、微黄色～淡黄色の液体成分です。

コカミドプロピルベタインは、両性界面活性剤とよばれる理由として、pHの違いでその性質が変わる特長がある成分です。pHが7未満の酸性領域では、コンディショニング機能を有し、pHが7を超える場合洗浄成分としての働きがあるものです。これは、末端の親水基部分が、プラスに帯電したり、マイナスに帯電する事が出来る事から可能になる性質があります。

コカミドプロピルベタインは、一般的にベタイン型と呼ばれる両性界面活性剤で、ベタイン型はヤシ油脂肪酸であるラウリン酸とジメチルアミノプロピルアミンを熱縮合反応させて作られたものです。

R-COOH(ラウリン酸)+N(CH₃)₂(CH₂)₃NH₂ → R-CONH(CH₂)₃N(CH₃)₂

その生成物とクロロ酢酸ナトリウムを反応させる。

R-CONH(CH₂)₃N(CH₃)₂+ClCH₂COONa (クロロ酢酸ナトリウム)

　　　　　　　　　　　　　→ RCONH(CH₂)₃N⁺(CH₃)₂CH₂COO^–+NaCl

コカミドプロピルベタインの成分表示

コカミドプロピルベタインは、化粧品成分の場合の表示名ですが、”ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン“ようにかかれる事もあります。また医薬品や医薬部外品成分表示名称としてはヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液などと書かれている場合もあります。

コカミドプロピルベタインの効果、効能

コカミドプロピルベタインとは、天然由来の成分を元にして作られる両性界面活性剤です。酸性下では、コンディシニング成分、アルカリ性下では、洗浄剤としての役割のある成分です。

そのため、コカミドプロピルベタインは、帯電防止、ヘアコンディショニング、皮膚コンディショニング、洗浄、起泡、親水性増粘剤などの効果がある成分です。

コカミドプロピルベタインはベタイン系界面活性剤と呼ばれるもので比較的低刺激な洗浄成分として使用される場合もありますが、コンディショニング性能を主として使用される場合が多い成分です。

コカミドプロピルベタインの使われ方

コカミドプロピルベタインは、ベビーシャンプーの洗浄成分のように単体で使用される事は、実はまれになっており、通常のシャンプーのように、アニオン系界面活性剤の助剤として、2番目に多い成分として、使用される事が多い成分です。

両性界面活性剤の特長である、アルカリ性の状態では、洗浄成分と同様の働きとなり、一方で、酸性の状態では、ヘアーコンディショニング機能が発生して、コンディショニングや保湿剤としての能力がでてきます。泡立ちを良くし粘り気を持たせる効果があることから泡が安定して洗浄しやすくなり、洗浄効果はとてもマイルドでコンディショニング効果による保湿も期待することができます。

アミノ酸シャンプー成分として使用される、コカミドプロピルベタイン

上記性質がある事から、アミノ酸シャンプーの助剤として、使用される事が多い成分です。今のシャンプーは、アルカリ性のものをクエン酸等を使って、弱酸性にして、販売している関係で、コカミドプロピルベタインも、洗浄成分として、含まれていますが、コンディショナー成分としての働きが高いと考えられています。