ラウレス硫酸Na

ラウレス硫酸Naはアニオン系界面活性剤の代表で、温泉でも使用出来る、気泡力と洗浄力で使用できるほどの洗浄力のある成分で、現在1番使用されているシャンプー成分です。

ラウレス硫酸Na

成分評価１

ラウレス硫酸Naとは

ラウレス硫酸Na(ナトリウム)は、非常にポピュラーな洗浄成分で、代表的な陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤ともいいます)です。英語では、sodium laureth sulfateで、場合によって SLESと略して書かれる場合もあります。別名として、リオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムと呼ばれる場合もあります。

ラウレス硫酸Naは、シャンプー、歯磨き、起泡剤、業務用洗剤、脱脂剤として使用されるものです。

ラウレス硫酸Naの合成方法

ラウレス硫酸Naは、ヤシ油(ラウリン酸)を還元して得られる炭素数12の高級アルコールである、1-ドデカノールをエトキシ化、硫酸エステル後に炭酸ナトリウムによって中和によって合成されます。

C12H25OH (ドデカノール)+ n C2H4O → C12H25(OC2H4)nOH

C12H25(OC2H4)nOH + H2SO4(硫酸エステル)　→ C12H25(OC2H4)nOSO3H + H2O

2C12H25(OC2H4)nOSO3H +Na2CO3(炭酸ナトリウム)　→ 2C12H25(OC2H4)nOSO3Na + H2CO3

またはラウリル硫酸Naにエーテルと酸素を加える合成方法もありますが、この方法の場合エーテルと酸素を加える過程で発癌性物質である1,4-ジオキサンが発生します。事実ラウリルエーテル硫酸ナトリウムを含むいくつかの製品が、低濃度のジオキサンを含んでいることが確認されている。

ラウリル硫酸Naとラウレス硫酸Naのおおきな違い

ラウリル硫酸Naとラウレス硫酸Naは、両方ともにシャンプーの洗浄剤として利用されています。大きな違いとしては、その分子量の違いです。分子量の違いは界面活性剤特長である、洗浄力、浸透力、分散力のうち浸透力に非常に関係しております。

ラウレス硫酸Naの分子量は、本来274.35であるが、シャンプーとして使用される時には、モル数が異なり、332.44～420.54と考えるのが妥当と思われます。一方でラウリル硫酸Naの分子量288.38と比較して分子量の観点からゆうとラウレス硫酸Naの方が浸透性は悪いと判断します。ただ、両方とも、浸透剤として、クリームや軟膏に使用されているものです。

もともと、ラウレス硫酸Naは、ラウリル硫酸Naの刺激性を緩和する目的で、開発されている関係もあり、皮膚への刺激性は、当然低くなっている。

それでもシャンプーに使用されている、洗浄成分として刺激性の高い洗浄成分と言えます。

ラウレス硫酸Naの効果、効能

ラウレス硫酸Naの洗浄力、気泡力は非常に優れており、通常洗浄力を低下させる、カルシウム、マグネシウムなどの影響を受けにくい性質があり、温泉などの硬水であっても洗浄力、気泡力が高く、脱脂性能が落ちない特長があります。そのため頭皮に使用すれば、皮脂等の脱脂能力が高く、頭皮の乾燥を促すのです。

そんな、ラウレス硫酸Naの利用用途としては、シャンプー、歯磨き、洗浄剤や起泡剤の他に、クリームなどの浸透剤として使用されています。

ラウレス硫酸Naの毒性、副作用、安全性

ラウレス硫酸Naの経口毒性はn=3で1995mg/kgここで言うnは重合度を表し、(OCH₂CH₂)の繋がった数の事をいいます。重合度がつく場合、ラウレス硫酸-n硫酸ナトリウムと表記される場合があります。健康に対する有害性によると、経口毒性については、区分4に含まれます。区分4とはどんなものかと言うと「飲むと有害である」「皮膚に接触すると有害」「吸入すると有害」にあたります。もちろん原液ではありませんが、そのようなものを使っている認識が必要です。

また洗浄力、浸透力が強いため、使いすぎに注意が必要な成分でもあります。

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