[ペンチレングリコール(1,2-ペンタンジオール)]石油由来の安全性の高い防腐剤成分

ペンチレングリコールは、無色透明の多価アルコールの一種で化粧品の成分としては、保湿剤、防腐剤、感触改良剤、皮膚コンディショニング、抗菌剤として使用される成分です。化粧品成分として、パラべンの防腐効果を高める事で、防腐剤の全体量を減らす事が出来る成分でもあります。

ペンチレングリコール

成分評価3

ぺンチレングリコールとは

ペンチレングリコールは、石油由来の酸化プロペリンから作られた、無色の多価アルコールの一種で、構造式内に、水酸基が2つ有る事でジオール類のひとつである。水分を取り込む性質がある事で、保湿剤としても使用され、感触改良剤として使用され、パラベンの代替剤としても使用される成分です。古くから使用されており、比較的安全性が高いとされている成分でもあります。

パラベンとの相性

ぺンチグリコールは、パラベンとの相性が良く、パラベンと一緒に使用される場合があります。これは、いっしょに配合する事で、パラベンの抗菌力を高めて、防腐剤の全体量を下げる効果があります。

ぺンチレングリコールの表示名

ぺンチレングリコールは、化粧品配合時に使用する名称で、医薬部外品、医薬品に使用される場合、1,2-ペンタンジオール　と表示されますが、化粧品成分としては同じものです。

ペンチレングリコールは、グリセリン、PG、などと同様の多価アルコールに属しており多くの化粧品の代表的な成分として使用されています。

ぺンチレングリコールの効果、効能

ぺンチレングリコールは、配合成分としては、防腐剤、抗菌剤、溶剤としての効果のある成分です。またペンチレングリコールは、水酸基を2個持ったジオール構造の多価アルコールですので、保湿効果もあり、グリセリンと比較するとベタツキも無くさらっとした感触にする効果も期待できる化粧品成分です。そして、防腐剤としてパラベンの使用量を減らせる化粧品成分として、パラベンといっしょに配合する事が多い化粧品成分です。

また、ペンチレングリコールは配合量が4％以上で、グリセリンやソルビトールには無いグラム陰性菌に対する抗菌性を有している成分でもあります。ここでいうグラム陰性菌とは、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌、カンジダ、コウジカビなどであり、抗菌力についてはメチルパラベンやフェノキシエタノールよりも強力な成分です。

肌への刺激性が低いという事で、シャンプー、コンディショナー、洗顔、顔の角質ケア、ニキビケア、ピーリングなど幅広い化粧品成分としてペンチレングリコールは使用されています。特にニキビは、思春期の肌によく出ますが、実際は年齢や性別問わずニキビ肌用洗顔料などがありますが、これらにもペンチレングリコールは含まれており、口コミでも刺激が少ないと言われているものです。またその他のニキビケア商品、顔の角質ケアが出来る化粧水、ピーリング商品などほとんどの商品にペンチレングリコールは含まれている化粧品成分です。

また、防腐剤フリーと書かれている化粧品については、ペンチレングリコールが防腐剤としてパラベンの代替成分として使用されているのをよく見かけます。

ぺンチレングリコールの毒性、副作用、安全性

ベンチレングリコールは、石油由来の成分ですので、心配をされる人が多いですが、古くから使用されている成分で、安全性が比較的高い成分とされています。そのため、アレルギーを持っている人向けの化粧品に使用されていたりします。多価アルコールですので、水性と油性両方に溶けるため、クリーム、ローション、シャンプーそしてパック等に使用されています。

防腐剤フリー処方へのマンダムの取り組みによりますと、ベンチレングリコールを含むアルカンジオール類にて抗菌性の実験をした処、抗菌性としてはパラベンと同等の結果を出したのに対して、皮膚への刺激テストについては、パラペン配合製品よりも3分の１程度の0.4ポイントの刺激性しか無く、低刺激な化粧品成分といえるでしょう。ただ、多価アルコールの一種のため、アトピー性皮膚炎等もともと肌が弱い人に対しては、パラべンよりもペンチレングリコールの方がアレルギーが出やすいといったデーターもあります。またうさぎの点眼実験では、刺激有りとの結果となっています。

そのため、バッチテスト等をして自分の肌に対して、刺激性があるのかを事前に確認をする必要があります。実際、メチルパラべンなどは、ペンチレングリコールと同様にパッチテストをした場合、ペンチレングリコールは陽性でメチルパラペンが陰性などという人もいます。