[アルギニン]非必須アミノ酸だけど成長期に必要なアミノ酸は保湿・育毛効果がある成分

アルギニンは天然に存在するアミノ酸の一種で、非必須アミノ酸のため、体内でグルタミン酸から合成させますが、幼少期は、合成が出来ないため、外部から取り入れる必要があります。通常は、食品としての側面が多いですが、化粧品成分としては、保湿能力、育毛効果のある成分です。

アルギニン(arginine)

成分評価 5

アルギニンとは

アルギニン(arginine)とは、生体で必要なアミノ酸の一種で、正式には2-アミノ-5-グアニジノペンタン酸（2-アミノ-5-グアニジノ吉草酸）のことです。

アルギニンは、非必須アミノ酸と呼ばれるもので、通常体内でグルタミン酸から合成されるため、食事から取る必要が無い、ただし、幼少期は体内で合成が出来ない事から、食事から、アルギニンを取り入れる必要がある。また最近では、体内で合成出来るからと言って、アルギニンが必要量合成できていないため、成人でも、アルギニン成分を取り入れる必要があるとのいわれています。

アルギニンの入っている食物

アルギニンは、肉類に多く含有しており、続いて、大豆、玄米、レーズン、エビ、牛乳といったものに含まれる。そして、魚の精巣から抽出されるタンパク質のプロビタミンには、非常に多くのアルギニンが含まれており、約３分の２がアルギニンである。

アルギニンの効果、効能

アルギニンは、血管の「老化防止」機能を持っています。これは、アルギニンが血管の弛緩作用を促す成分である、一酸化窒素の生成を高める力があるからです。これによって、血管が拡張して、血流量を増やす働きがあります。そのため、代謝アップにより、肥満の改善、メタボ予防に効果があり、糖尿病、動脈硬化、脳梗塞、高血圧、心臓病のような重大な疾患にも有効との事です。

また、アルギニンは、成長ホルモンの分泌量を増加させる働きもあり、コラーゲンの生成にも関与しており、体内コラーゲン量を保つ事で、肌の弾力を維持する事で、「しわ」や「たるみ」といった老化現象の防止にも役に立ちます。

化粧品成分としてのアルギニン

食物としてのアルギニンも有名ですが、化粧品成分としても利用されています。

角質の保湿に必要なNMFの実に50％がアミノ酸で出来ており、アルギニンは、構成されているアミノ酸の1つです。アルギニンは、他のアミノ酸よりも、水と結合しやすい構造のため、天然の保湿剤としての役割があります。これは、食品として取り入れた時と同様に外用薬として使用しても効果があるとされています。

また、アルギニンがアルキナーゼ酵素によって合成された、尿素も同様にNMFに10％配合されている成分で、アルギニンと同様に保湿力の高い成分です。皮膚アルキナーゼにて尿素が合成された場合、保湿効果は2倍になる要素を含んでいます。

アルギニンの育毛効果

アルギニンに育毛効果があり、髪の毛が生えるなどの情報が出ていますが、アルギニンには直接的な育毛効果はありません。しかし保湿性や成長ホルモンの増強、そして老化防止能力等によって、頭皮の血流が増強する事で、頭皮環境を良くする事によって毛母細胞への栄養補給を良くする事で、育毛に繋がる事はあります。そのため二次的な、育毛効果もあると言っていいかもしれません。

アルギニンの毒性、副作用、安全性

アルギニンは、肉類、大豆、玄米、レーズンなどに多く含まれているアミノ酸ですので、毒性等はありません。アルギニンは、一定量であれば、大きな問題は無いですが、血流量を増やす効果がある事で、アスリートなどスポーツ選手が好んで過剰摂取をしているようです。

しかし一時的な過剰摂取であれば、それほど問題は無いと言われているが、サプリメントなどで、長期的に過剰摂取を行うと、心臓に負担がかかる可能性があると言われ、心筋梗塞など心臓に疾患や既往歴がある場合は控える必要があります。また、一部では、アレルギー症状として、気管炎、喘息の悪化が上げられます。また腹痛、下痢、痛風の原因になる場合もあります。化粧品として使用する場合は、その限りではありません。