高級アルコールシャンプーは、ドラッグストアーやスーパーなどで良く販売されているシャンプーの種類で、泡立ちが良く、洗浄力が強いのが特長のシャンプーです。
高級アルコールシャンプー(higher-alcohol-shampoo)
高級アルコールシャンプーとは
高級アルコールシャンプーは洗浄成分の特長から分類されて命名されたもので、代表的なものとしてアミノ酸シャンプーや石鹸シャンプーなどが上げられます。
そして、高級アルコールシャンプーは、頭に高級と書かれているので”高級品”と勘違いする人が多いのですが、実際は異なります。
ここで言う”高級”は化学用語で、炭化水素の炭素の数が、5個以上あるものの事を”高級~”と呼ぶルールがありこの場合、炭素が5個以上使っている脂肪酸を原材料としている事から高級アルコールと呼んでいるのです。逆に炭素の数が少ないアルコールであるメタノールやエタノールなどは低級アルコールと呼びます。
また、以前石油系などとも呼ばれていた事がありますが、石油を使用すると原価が高くなる事から、実際はヤシ油から抽出した脂肪酸を原材料として作られているものが非常に多いのです。
高級アルコールシャンプーの特長
高級アルコールシャンプーは、非常に身近なシャンプーで、ドラッグストアーやスーパーなどで販売しているシャンプーの7~8割程度にあたります。
実は高級アルコールシャンプーは
- 価格が安い
- 泡立ちが良い
- 洗浄力が強い
などの特長があります。
またバリエーションが多いのも特長のひとつです(実際原材料の価格が安価な事もあり、そうなるのかもしれません)。
これだけを聞くと非常に良いものに感じます。
「洗浄力が高くて」、「泡立ちが良い」そして「安い」正直良い処だらけです。
実際シャンプーを選ぶ場合、泡立ちや洗浄力を重視する人が非常に多いのも否ません。
しかし 洗浄力が高くて、泡立ちが良いのが本当に良いのでしょうか?
その洗浄力が頭皮トラブルの原因!
「シャンプーの目的」と聞いて、あなたなら何と答えますか?
「汚れを落とす事」と答える人が大半と思います。しかし実際は汚れ以上のものも落とししまう事が頭皮トラブルの原因になるので、注意を促しているのです。
ちょっとシャンプーの歴史を振り返りたいと思います。
今現在、毎日お風呂に入り、頭を洗うのは日課となっている人が大多数でしょう。実は毎日のシャンプーが習慣化したのは昭和60年代(1980年代)頃からと言われています。
今現在の人から言わせると「えーーーー」と言うかもしれません。
確かに、私の祖父や祖母の時代は、お風呂に入っても頭を洗うのは1週間に1回程度だったような記憶があります。
もともとシャンプーが出来たのは、1926年(昭和元年)に葛原工業が「純植物性シヤンプー モダン髪洗粉」という名前で発売したのが初めてのようです。その時代は今のように液体状のものでは無く粉状のものであったようです。
その後、1938年(昭和13年)に花王が液体状のシャンプーを発売して爆発的にシャンプーが広まったと言われています。この時に洗浄成分として採用したのが、現在の高級アルコール系洗浄剤です。
当時は、現在とは異なり、非常に高価なものであったようです。高価だからこそ1週間に1回ひどい時には1ヶ月に1回程度しか頭を洗わない人もいたようです。
現代の我々では信じられない事です。
そうこのシャンプーには1週間分や1ヶ月分の汚れを1度で落とす位の洗浄力がもともとあると言う事です。この頃に開発された洗浄成分が現在でも高級アルコールシャンプーとして使用されているのです。
現在では、そんな洗浄力の強いシャンプーで、毎日洗う週間があり、人によっては2度も3度も洗ってしまう事もあります。
それによって、落としてはいけない、頭皮の健康に必要な皮脂まで汚れといっしょに落としてしまう事が頭皮トラブルの原因の一因となっているのです。
頭皮トラブルの原因となる高級アルコールシャンプー
洗浄力の強い、泡立ちの良いシャンプーであれば、髪の毛についてホコリなどの汚れ、頭皮についた剥がれ落ちた角質や汗なども落とすことは最適です。
一方で、頭皮に残すべき、皮脂もいっしょに落としてしまう事が問題となります。
シャンプーをした後によくスッキリとした感覚になりますが、このスッキリという感覚が皮脂までもがごっそりと取り除かれた状態になっているという事です。
皮脂が無くなるとどうなるのかを改めて考えて見ましょう。
表皮の角質は一般的に0.02mmの厚さしか無いですが、皮脂は表皮の上にさらに1μm程度しか無い油膜状のものです。たったこれしか厚みしか無いのに実は非常に大事な事を行っています。
皮脂は頭皮の保湿作用の要となっている。
皮脂は角質に含まれている水分が蒸発をしないように蓋のような役割を持っています。角質が水分を失うと、乾燥して炎症をおこし、かゆみが出たり、剥がれやすくなり、新陳代謝が早くなる事でフケが多くなります。
皮脂は弱酸性のもと
健康な頭皮のpHが弱酸性と言われています。これは弱酸性によって有害な細菌の繁殖を抑えたり、肌への侵入を防ぐ役割を保つ為に、皮脂があるのです。実は皮脂は、弱酸性ではありません、頭皮には日和見菌と呼ばれる、表皮ぶどう球菌、アクネ菌などの良性の常在菌は存在しており、皮脂を餌として弱酸性の副産物を精製する事で肌が弱酸性を保っているのです。
一方で、洗浄力の強いシャンプーの場合必要な皮脂や日和見菌をごっそり剥がしてしまう事で、アルカリ性の肌を好む、黄色ブドウ球菌、真菌、マラセチア菌などが繁殖してしまいます。これらは炎症とともにフケやかゆみの発生原因となったり、頭皮のニオイの原因となったりするのです。
皮脂は刺激を緩和する作用がある
皮脂は、身体に取って非常に安全な油脂であると同時に肌への刺激を緩和する働きがあります。雑菌だけで無くほこりや化学物質が直接肌に触れないためのバリアーとなっています。皮脂が無くなると、直接肌に刺激がつたわるようになり、炎症などの原因となってしまいます。また化学薬品の刺激は抜け毛や脱毛の原因のひとつとされています。
高級アルコールシャンプーのように、洗浄力が強い場合、肌を守っている、皮脂を簡単に剥がしてしまう原因のひとつとなります。そのため皮脂が無くなる事で頭皮の乾燥やフケ、かゆみなどの原因となるのです。
高級アルコールシャンプーの正体
高級アルコールシャンプーは、高級アルコール系の洗浄成分が入っているシャンプーの総称ですが、代表的な高級アルコール系の洗浄成分はこのようなものがあります。
- ラウリル硫酸ナトリウム
- ラウリル硫酸カリウム
- ラウレス硫酸ナトリウム
よく石油由来と書かれている場合がありますが、名前から見てもそれは違います。これらの原材料であるラウリルアルコール(デカノール)(これが高級アルコールと呼ばれているものの正体です。)はラウリン酸を還元する事でつくられている成分で、そのラウリン酸は実はヤシ油に含まれている脂肪酸のひとつなのです。つまり実は植物由来成分だったのです。
ただ、洗浄力が強い、泡立ちが良いの他に、浸透性が良い問題があります。つまり肌の内部へ侵入する力が強い事が上げられます。短時間では安全性が確認はされていますが、長期間使用した時にの安全性については判っていません。
時間をかけて、体内に侵入していくといった見解もあり、女性の子宮の羊水からシャンプーのにおいがしたという話については、あながち嘘では無いようです。
高級アルコールシャンプーは悪者なのか!?
高級アルコールシャンプーが悪者と叩く人もいますが、高級アルコールシャンプーは悪者ではありません。問題となるのは使いすぎる事です。
シャンプーのメーカー推奨の使用量は多少異なりますが1回5cc程度と言われています。正しいシャンプーの方法を実践する事で、使用量を最小限にする事が、必要な皮脂を残しつつ、汚れを落とす事が出来るため、髪の毛や頭皮へのダメージ防止に繋がります。
また、よくシャンプーをする場合、すっきりした感じが好きという人が多いですが、シャンプーの使用量を下げる事で何かが残っている感覚になるでしょうが、多少がまんは必要となります。
健康な髪や頭皮を継続するためには、使用頻度や使用量の調整が必要となります。
細心の注意を払って使用しましょう。
髪の毛や頭皮にやさしいシャンプーをランキングとしていますので、参考にしてください。
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参考資料
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