酒石酸は、酸味のある果物に多く含まれている成分で、特にぶどうにの主成分のひとつである。また、酒石酸は、食品添加物として使用されるもので、化粧品成分としては、しわ抑制、収れん、香料、pH調整剤、育毛、発毛としての機能がある成分です。
酒石酸(tartaric acid)
成分評価5
酒石酸とは
酒石酸(tartaric acid)は、ぶどうやレモンを代表とする、独特の酸味と苦みのある果実に多く含まれる成分で、そのため、ぶどう酒作りでは、この酒石酸が、一部酒石酸水素カリウムの形で、析出しており醸造時に沈殿物としてあらわれるものです。石のような沈殿物であったため、酒石と名付けられていましたが、実際は、酒石酸水素カリウムという成分になります。
また、食品添加物としても使用して良い成分ですので、酸性調味料として使用されており、一部のすもう部屋では、ちゃんこ鍋の時に市販のポン酢を使用せず、酒石酸と醤油を混ぜたものに、柑橘系のくだものを絞って使用したりするようです。理由はよく判りませんが市販のポン酢よりも酒石酸を使った方が割安という事で多く使われているのではないでしょうか。
そして、マウスでの実験ではリンやカルシウムを腸管からの吸収阻害する事で「疲労回復をする」、「整腸作用がある」などと言われていますが、人では実験されたデーターが見つからないようです。
酒石酸の以外な活用方法
朝の連続ドラマ「マッサン」で、軍部がワインの製造を奨励したのを見た方もいるかと思いますが、実際に第二次世界大戦中にあった話です。それはぶどう酒の醸造時に出る、酒石酸を原料として、ロッシュ塩(酒石酸カリウムナトリウム)という物質を作り出し、それが、レーダーの音波を捕らえて電気信号になる、圧電素子として利用されました。ただし、最近は、リン酸水素カリウムやチタン酸バリウム等より良いものが出来たので、現在は湿度に弱いロッシュ塩は使用されなくなった。
裏話であるが、第二次世界大戦中に、軍部がロッシュ塩の調達のため、ぶどう酒工場は大量生産をしたのですが、もったいないと言う事で、酒石酸を取り除いた、ぶどう酒を販売した処、ひじょうに酸っぱい酒との評価となった。これは、酒石酸によって抑えられていた、酢酸菌が増殖して、酢となってしまった事により、そのような評価となった。そのため、ワインは、まずい酒との評価が長い期間つづいたとの事です。
酒石酸の効果、効能
酒石酸は、化粧品成分として、幅広く使用されている成分です。酒石酸は、収れん作用をもっている事で、皮膚のしわ取りの効果が期待できる成分です。その酸性度を利用して、pH調整剤として、使用したりしています。
また、酒石酸には育毛効果があるとされています。これはロート製薬の研究によって発見された内容によりますと、毛髪の成長促進作用に関係する結合組織性毛包細胞のFGF7産生を促す事や毛包細胞周囲の血管新生を促進させるVEGF-Aを産生する働きがある事で、発毛や育毛の効果がある成分とされています。そのためロート製薬で発売しているリグロEX5には酒石酸が含まれています。
酒石酸の毒性、副作用、安全性
酒石酸は、食品添加物として使用されている成分で、安全性は高いとされている成分です。
但し、医薬品として使用される場合、大量に摂取すると、アシドーシスや腎障害を引き起こすとされているいます。化粧品等で使用する場合には大きな問題はないでしょう。
成分が含まれる製品一覧
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参考資料
“[酒石酸]ぶどうから抽出される収れん成分” への3件のフィードバック