ソルビトールは甘味料として使用される食品添加物ですが、化粧品においては、保湿剤、増粘剤、静菌剤として使用される成分です。
ソルビトール(sorbitol)
成分評価5
ソルビトールとは
ソルビトール(sorbitol)は、糖質の代表格であるグルコースを還元して得られる糖アルコールの一種で、バラ科ナナカマド属の植物から発見された事で、ナナカマド属の学名であるsorbus aucuparia を参考にしてソルビトールと名付けられました。
ソルビトールは、バラ科の植物の体内において、光合成による加水分解によってデンプンをグルコース、ソルビトールと変換していきます。バラ科のひとつであるリンゴなどの品種では、ソルビトールは、グルコースやフルクトースといった糖に変化するのですが、果実が成熟する事で、その変化がなくなりソルビトールが維管束と呼ばれる部分に蓄積してしまいます。これを一般的にリンゴの蜜と呼ばれ、成熟度の指標となっています。
ソルビトールは一般的に食品添加物として許可されている成分で、世界中で甘味料として使用されています。その理由は砂糖と比較するとカロリーが75%しか無いためダイエット食品によく使用されています。ただ、甘味度も60%同様に低いため、同じ甘さにするためには多く入れる必要があります。また水に溶ける時に吸熱反応をするため、夏場に重宝する冷んやりとした食感のお菓子、ガム、飴などに使用されています。
そして、ソルビトールは、保水性を持っている事から、魚の練り物に入れたり、黄金色の発色剤として使用したりします。また医療関係では、浣腸液、下剤などに使用されている成分でもあります。
ソルビトールの効果、効能
ソルビトールは、一般的には甘味料として食品添加物として使用されますが、水飴などわりと高い保水力があるため、化粧品成分としては、保湿剤、増粘剤として使用されています。また水分活性を低下させる事が出来るため、微生物の活性を抑える性質があり、静菌剤としての一面もあります。
使用用途としてうがい薬や、練り歯磨きなどにも使用されています。
ソルビトールの毒性、副作用、安全性
ソルビトールは海外では、死亡事故があったなどと言われていますが、現在の処因果関係はありません。また食品添加物として多く使用されているのもあり、安全性は高いと言われている成分です。但し、甘味度が低い事で、糖尿病の予備軍の人は逆に取り過ぎるおそれがあるため、使用を控える必要があると考えます。
一方で、化粧品に使用する場合としては、保水力、浸透力が向上するだけで、ソルビトールに大きな問題はありません。しかし、浸透力によって他の成分を浸透させてしまう事が可能なため、配合される成分の問題を大きくする可能性も否めません。
成分を含む製品一覧
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参考資料
ソルビトール経口液75%「コーワ」
“[ソルビトール]甘味料として使用される食品添加物には保湿機能の成分だった。” への7件のフィードバック