ケイ酸Na(ケイ酸ナトリウム)は耐熱素材として開発されたが、現在、石けん、洗剤の泡立ちを阻害する、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)イオンに対するキレート剤、pH調整剤として使用する成分です。
ケイ酸Na
成分評価1
ケイ酸Naとは
ケイ酸Na(珪酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、珪酸ソーダ)は、構造式は、Na2SO3で、メタケイ酸ナトリウム塩とも呼ばれている、白色の固体状の物質です。ケイ酸Naは、二酸化ケイ素を水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)や炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)などで、加熱融解する事で生成される水溶性の物質です。
SiO2(二酸化ケイ素)+NaOH(苛性ソーダ)⇒Na2SO3(ケイ酸Na)+H2O
SiO2(二酸化ケイ素)+Na2O3(炭酸ナトリウム)⇒Na2So3(ケイ酸Na)+CO2
その他にNa4SiO4、 Na2Si2O5、Na2Si4O9などの構造式で表せる場合もあります。
珪酸ナトリウムは、水に可溶で、水に溶解して加水分解をする事で、粘度が高く若干黄色味を帯びたアルカリ性の水溶液となります。またケイ酸Na(ケイ酸ナトリウム)の濃い、濃水溶液の事を水ガラスと呼びます。ただ水ガラスは無臭ではあるが、酸味が強く刺激が強いため、間違って誤飲すると、粘膜を糜爛(びらん)状態にさせる恐れがある成分です。
水ガラスの用途
水ガラスの用途としては、当初、防火剤としてのみ使用されていたが、ケイ酸ソーダの特性が判り、石けんや洗剤の添加剤、接着剤、陶芸の粘度を低下させる材料、鋳造型の結合材などに使用されます。またケイ酸ナトリウムは、塩害防止のためにも使用されます。金沢工業大学の黒岩氏の研究によると、鉄筋コンクリートの鋼材部分は塩害によって腐食してしまいますが、ケイ酸ナトリウムを含むケイ酸化合物を添加物として、コンクリートに使用する事で、塩害による鋼材の腐食を抑えられる事が発見された。
また、水ガラスは、接着剤の様にも使用されます。これは、青函トンネルのような軟弱の地盤を掘削するために、水ガラスとコンクリートミルクを注入して対応した事や、東日本大震災の後の原発周囲の放射性物質の流出を抑えるために使用する事で、水ガラスが接着剤のような利用方法があります。
そんな水ガラスは、塩酸と反応させる事でゲル状のケイ酸が産生されます。
水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)とは
苛性ソーダは、次亜塩素酸ナトリウムとともに、漂白剤や、脱脂剤として使用される、強アルカリ性の性質を持つ成分です。
また、余談ですが、化学用語で、ナトリウムの事をソーダと呼びますそのため、水酸化ナトリウムの事を苛性ソーダと呼びます。よく間違えるのですが、炭酸水の事をソーダと呼ぶため、同じものと考える人がいますが、炭酸水でいうソーダとナトリウムの俗称であるソーダは違うものです。
炭酸ナトリウム
炭酸ナトリウムは、泡が出る入浴剤の原料や、ガラスの原料として、ラーメンの麺を練る時に入れるかん水として使用されるものです。通常炭酸ナトリウムは、水和物として存在していますが。焼き付け、無水物としたものをソーダ灰とよびます。
ケイ酸ナトリウム(ケイ酸Na)の石けん、洗剤への添加
ケイ酸ナトリウム(ケイ酸Na)は、石けん、洗剤の用途としては、分散剤として利用されています。カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)イオンなど、泡立ちを邪魔するものを防止するキレート剤としての用途があり、もともと、アルカリ性のため、金属の腐食防止、油分の易溶性などの働きもあります。
高濃度ケイ素水溶液
実はケイ酸ナトリウム(ケイ酸Na)は、一般的な水にも含まれております。水ガラスと言われるレベルでは刺激性があるため問題となりますが、珪素(Si)は必要なミネラル成分であるため適度に珪素が含まれている水は身体に良いとして最近注目を集めています。
福岡県保健環境研究所年報第39号, 59-65, 2012によると、九州北部の湧水には、最大46ppmの珪素含有量があり、水道水中のシリカ濃度が12から20ppm前後と言われていますので、全体的には珪素濃度が高い傾向があります。ただ、溶存型珪素である、ケイ酸ナトリウム(ケイ酸Na)の形でないと、体内に吸収が出来ないのですが、その必要な珪素濃度は不明である。
そのため、最近では高濃度珪素溶液と称して、コーヒーなどの飲み物に滴下して使用するものもあります。この正体が実はケイ酸ナトリウム(ケイ酸Na)溶液です。現在 珪素濃度が1番濃いとされている、珪素のしずくについては珪素が100mL中に1.7~1.9g非常に多くの珪素が入っており、珪素濃度として 約1.8%(20,000ppm)と非常に高い。人は1日に10から40mg必要とされているため、珪素の入っている水だと2リットル程度は必要ですが、高濃度珪素水 ”珪素のしずく”ですと、1日2cc以下で十分(40mgの珪素が取れるため)という事になります。
ケイ酸Naの効果、効能
ケイ酸Na(ケイ酸ナトリウム または 珪酸ソーダ)は、キレート剤、pH調整剤としての働きがある成分です。カルシウム、マグネシウムなどのミネラル分と結合する事で、泡立ちを邪魔するミネラルを抑制する働きがあります。
ケイ酸Naの毒性、副作用、安全性
ケイ酸Na(ケイ酸ナトリウム)は、無臭な成分ですが、刺激性が強く、濃度の濃いものはアルカリ性溶液のため、肌や粘膜につくと、ただれる性質があり、誤飲などには、注意が必要な成分です。ただ、希釈されたものについてはそれほど神経を使う必要はありません。
成分が含まれる製品一覧
haruシャンプー(株式会社nijito)
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参考資料
“[ケイ酸Na]コンクリートの強度アップに使用される水ガラスは、泡立ちを良くするキレート剤で使用されている。” への2件のフィードバック