グルコースは、ぶどう糖も呼ばれる、炭水化物を分解して得られた炭化水素化合物で、身体の活動エネルギー源となるもので、香味剤、保水剤、保湿剤、皮膚コンディショニングの効果のある成分です。
グルコース(Glucose)
成分評価3
グルコースとは
グルコースは、ブドウ糖とも呼ばれる炭化水素化合物のひとつで、分子式C6H12O6と6個の炭素を持つ単糖と呼ばれるものです。グルコースは、D型とL型の2タイプの異性体を持っているが天然に存在しているのはD型のみで、D型のグルコースの事をデキストロース(dextrose)と呼んでいる。因みにL型は人口的に作り出す事が可能です。グルコースは白色の粉末状で甘味のある成分で水に溶ける性質のある成分です。
グルコースは、植物に含まれている葉緑体にて、太陽光に含まれる赤外線と紫外線のエネルギーバウンドを利用して、水と二酸化炭素を光合成する事で作られています。植物はそのグルコースを多糖と呼ばれるデンプン,グリコーゲン,セルロースなどの形で貯蔵されており、果実には多量に含まれています。
一方で動物は自ら光合成をしてグルコースを得る事が出来ないため、炭水化物である、乳糖、ショ糖(砂糖の事でフルクトースとグルコースが合成されたもの)、麦芽糖、セルロースそしてグリコーゲンを加水分解する事でグルコースにして利用します。またグリコーゲンは、エネルギーの保管として肝臓などで貯蔵されます。グルコースは血液、リンパ液で各臓器に運ばれて活動エネルギーとして使用されます。そのため血糖などとも呼ばれており、血液中に約1%と含まれており、正常値は70~100mg/dL(4~6mmol/L)と言われています。糖尿病の罹患者はインスリンによる調整が出来ない事で、この数値が跳ね上がります。グルコースは、栄養剤,強壮剤,解毒剤などとして使用されます。
また工業的にグルコースを製造する場合、コーンスターチが一般的に使用されます。
グルコースの代謝反応
グルコースは身体で様々な代謝ルートをもっております。
ATP代謝(TCAサイクル)
グルコースは解糖系と電子伝達系の代謝ルートをもっており、解糖系ではピルビン酸に、電子伝達系では十分な酸素とともにクエン酸を経て水と二酸化炭素まで分解します。その分解過程でATP(アデノシン3リン酸)と呼ばれる活動エネルギー物質を産生します。エネルギー量としては、グルコース1molあたり270kcalのエネルギーに相当します。
インスリンによる代謝
食物に含まれる炭水化物は胃から腸など消化器官(主に小腸)を通じて、グルコースまで分解されます。グルコースは血中を通して肝臓への取り込みが間に合わなくなる事で膵臓からインスリンを分泌してグルコースが全身の筋肉に取り込むように反応します。
肝臓代謝ルート
肝臓は血中のグルコース濃度の調整を行っています。血糖濃度が高い場合、グリコーゲンを合成し、血中のグルコース濃度が低下するとグリコーゲンが分解して血中にグルコースを放出するような代謝反応をしています。
筋肉での代謝
筋肉は肝臓まででは無いが、グルコースをグリコーゲンの形で蓄える事が出来ます。筋肉ではグルコースに変換する事は出来ないが、アドレナリンが分泌する事で代謝され使用されます。血糖値が低くなると筋肉が分解されて、代謝によって発生したピルビン酸によって肝臓に保管してあるグルコースを放出します。
腎臓でのグルコースの代謝
腎臓では糸球体と呼ばれる濾過装置で、グルコースは濾過されるが、尿細管で再吸収されます。これによって血中濃度を必要以上上昇させないように調整をしています。ただ通常尿中に排出されるのは、2~20mg程度ですが、腎臓が悪くなりインスリンの供給が少なくなると排出量が多くなる。
脳での代謝
脳内ではグルコースは唯一の栄養素です。脳内ではグルコースを保管する事が出来ませんそのため、血糖値が極端に低下すると昏睡状態に陥ってしまう事があります。ただ飢餓状態になるとケトン体と呼ばれる成分が肝臓から排出されます。これは体臭が甘ったるいような感じになり、過度なダイエットをしていると発生します。
心臓での代謝
心臓は休み無く動いている事でエネルギーを多く使用します。心臓のエネルギー源は脂肪酸ですが激しい運動などではグルコースなどが使用されます。ただグルコースの備蓄量は少ない事もあり、ケトン体、ピルビン酸、乳酸などが同時に使用できるようになっています。
グルコースと糖尿病
グルコースは様々な代謝によって血糖値を90mg/dl前後に維持しています。インスリンが不足するとグリコーゲンへの変化によって筋肉への取り込みが出来なくなり、筋肉からピルビン酸が排出される事で肝臓内のグリコーゲンが排出されてグルコース濃度がさらに上がる悪循環がおこり、糖尿病として診断されるのです。
グルコースの効果、効能
グルコースは高等動物の各組織のエネルギー源となるほか、食品添加物としては甘味料、染色剤、皮のなめし、医薬品などに利用される成分です。もともと血管内に透過する性質があり、香味剤、保水剤、保湿剤、皮膚コンディショニングの効果がある成分です。
グルコースの毒性、副作用、安全性
グルコースは生体成分のひとつですので、毒性等はありません。肌への浸透性が高い特長もあり、安全性の高い成分でもあります。一般的にブドウ糖として販売しているものはグルコースの塊となっています。
成分の含まれる商品一覧
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参考資料
血糖(グルコース)
“[グルコース]炭水化物を分解して得られる保湿成分” への2件のフィードバック