シャンプーとは、現在、洗浄剤の事や洗濯の代名詞として使われているが、実は、語源は頭皮をマッサージする事をシャンプーといっていた。
シャンプーとは、頭皮のマッサージしながの洗髪
シャンプーとは
シャンプーとは(英: shampoo)、頭髪および頭皮を洗浄するための洗剤である。
シャンプーの形状には粉末、固形、ペースト、液状などがあるが、現代ではほとんどが後者のものである。原語はヒンズー語で「マッサージをして頭皮、毛髪を清潔に保つ」である。また、洗髪自体を「シャンプー」「シャンプーする」と言う。
シャンプーで髪と頭皮を洗浄した後は、リンス、コンディショナー、トリートメントなどで髪の保護をするのが一般的である。
なお、洗髪の際にはシャンプーブラシが用いられることもある。ペット用のシャンプーもあり、この場合は頭に限定せず、全身を洗浄するものである。車の外装用洗剤を「カーシャンプー」という場合もある。JIS規格ではシャンプーの容器に凹凸を付ける事が望ましいとされている。この容器の凹凸は視覚障害者がリンスの容器と区別するためのもので『識別リブ』と呼ばれる。
シャンプーの成分
シャンプーとは、使われている材料によってさまざまな種類に分類されています。
ここでは大きく分けて、「高級アルコール系」「石けん系」「アミノ酸系」の3つの分類と特徴についてご紹介します。
●高級アルコール系シャンプー
高級と付くから値段が高いとか品質が良いというわけではありません。アルコールの分子に含まれる炭素数が多いもの(6個以上)を高級アルコール、少ないものを低級アルコールと呼びます。
炭素数が多いものは泡立ちが良く、強力な洗浄力を持っています。一部に天然由来の高級アルコールを原料とした界面活性剤が使われている商品もありますが、多くが石油由来の高級アルコールを原料とした界面活性剤を使用しています。
高級アルコール系界面活性剤は、刺激が強すぎる場合が多いので、注意が必要です。
ドラッグストアーで市販されているシャンプーのほとんどがこの高級アルコール系です。
●石けん系シャンプー
洗浄成分として天然由来の油脂や脂肪酸にアルカリを反応させて作られた界面活性剤が石けんです。
石けんは、天然由来の原料から作られることや、古い歴史をもち、人間が長く使ってきた界面活性剤であることから、石けんシャンプーは、固形石けんを溶かしたものと思われがちですが、別物です。
石けんシャンプーは、自然分解能力が高い事から、環境にはやさしいシャンプーと言えます。そのため安全・自然志向の方から好まれています。但し、アルカリ性で洗浄力も強く、脱脂力が良いため、正しく使わないと皮脂をとりすぎるという特性もあります。
●アミノ酸系シャンプー
前の2つのシャンプーと比較して、低刺激で、頭皮にも優しいシャンプーです。
天然由来の高級脂肪酸にアミノ酸を反応させて作られた界面活性剤が使われています。低刺激で浸透力が低いのが特長なため、頭皮トラブルのおこりやすい人には、最適のシャンプーです。
生産量が少ない事もあり、界面活性剤が高価で、シャンプーとしても、高級品が多いシャンプーの歴史でも書いてありますが、週1回の洗髪であれば、高級アルコールシャンプーのような、洗浄力の強いシャンプーが有効であったが、昨今のように、ほぼ毎日洗髪する 生活であれば、アミノ酸シャンプーのような ちょっとだけ、汚れが取れるようなシャンプーが有効なのである。
シャンプーの分類
シャンプーのパッケージに、「化粧品」や「医薬部外品」と書かれているのを目にしたことがあると思います。
シャンプーは、「薬事法」という法律でこの2種類に分類されています。但し、内容成分については、大きな違いはありません。
医薬部外品になると、効能を宣伝して良い、成分をすべて書く必要が無いなど企業側のメリットも多いが、認可等に時間もお金もかかるため、効能の高いものであっても、化粧品として、販売されているケースも多いです。
また手洗い用の石鹸は、「雑貨」として、製造・販売については、認可は必要ないが、洗顔、洗髪等になると、同じ成分であっても、認可が必要になるのです。
シャンプーの語源
英語のShampooの語源はヒンドゥスターニー語の chāmpoに因むもので、1762年には使われていた。 ヒンドゥスターニー語の chāmpoは、ムガル帝国のビハール州周辺において行なわれていた香油を使った頭部(髪)マッサージの事を示していた。
このchāmpoは、東南アジアから南アジアにかけて自生し、香料としても使われているキンコウボク(英語版)(Magnolia champaca)が起源とも考えられている。 この頭部マッサージの習慣は、18世紀には英領インドから英国に伝わった。
1759年にビハール州出身のシャイフ・ディーン・ムハンマドが、イギリス南部のリゾート地ブライトンの浴場ハンマームで
頭部マッサージの提供を開始し、イギリス王室にも認められるところとなった。20世紀初頭、ワシントンDCのC.L.ハミルトン社のシャンプーとローションその後1860年ごろには、シャンプーが頭部マッサージから洗髪を意味するようになった。
初期には石鹸が使われていたが、20世紀に入り頭髪用のシャンプーが販売され始めた。
1954年にはカーペット等の洗浄の意味でも使われるようになった。初期には石鹸にハーブを混入したものを洗髪に使用していたが、やがて石鹸シャンプーとして一般に普及。1930年代に至って界面活性剤が開発されると、高級アルコール系シャンプーが売り出される様になった。
日本での洗髪の歴史
日本では、洗髪の習慣は過去に遡る程頻度が少なく、日本髪が結われていた時代は1ヶ月に一度程度というのが一般的であった。また、結う際に油で艶を付けるという考えから、洗髪によって髪を美しくするという概念は今ほど強くなく、ふのり、米ぬか、小麦粉などで髪の油分を奪う洗い方が多く用いられていた。
日本に洋髪が入ってきた時代、日本人の硬く太い髪を洋髪にするのは困難であり、髪に適度な油分を与えるシャンプーが好まれるようになり、普及し始めた。現在では知る人は少ない、「七夕に髪を洗うと髪が美しくなる」という言葉は、洗髪が日課として行われていなかった時代を反映していると言える。
そんな中、江戸時代に「洗い髪」が、町屋、ことに花柳界の女性の伊達な誇りとして流行した。明治期における和装女性の洗髪 江戸の女性は髪を洗うときは絞り染めの浴衣を着て、前垂を背にかけて、髪垢で着物が汚れないようにした。洗った後は髪が乾くまで散らし髪のまま近所を出歩き、乾くと油をつけないで仮結にし、それを粋の極致とした。この洗い髪の粋な艶姿で有名になったのは明治時代、東京の名妓、「洗い髪のお妻」である。ただし、江戸でも御殿女中などが髪を洗うのは、依然甚だまれであった。髪を洗わない女性は唐櫛でよく梳いて垢を取り去り、その後に匂油をつけて臭いを防いだ。京阪でも髪を洗うのはすこぶるまれであったが、娼妓はしばしば髪を洗った。
天保頃から江戸の女性を真似て往々髪を洗う女性が現れるようになった。しかし京阪では往来で散らし髪の女性は見られなかった。くしけずることさえ「三箇月一度可梳之、日日不梳」(九条殿遺戒)といったほどであった。
洗うよりも油を塗る方が多かった。最初期は粘土やヒルガオのような、野生の蔓草の葉を搗いて砕いて、水に溶かした液体を用い、また灰汁などで洗った。関東では午の日に髪を洗うと発狂するといい、九州では夜、髪を洗うと根元から切れるという。民俗学者は前者は丙午の迷信と関連づけ、後者は『本朝医談』や『後見草』にあるかまいたちや妖狐などの仕業と考えた髪切の怪を思わせるという。
髪洗いの吉日もあり、『権記』寛弘6年5月1日の条には、暦林を引いて「五月一日沐髪良、此日沐令人明目長命富貴」という。阿波では旧10月の戌の日に行なう御亥の子祭の晩に髪を洗うと赤毛が黒くなり、老いても白髪にならないといい、福島市付近では七夕の夜が良いとされている。
20世紀以降のシャンプーの歴史
大正期から昭和初期になると白土・粉石けんなどを配合する、髪洗いが流通するようになり、その後、固形のシャンプーが発売されるようになってシャンプーという言葉が一般化した。
1926年に葛原工業より「モダンシャンプー」が出るが売れず。1932年に花王から「花王シャンプー」が発売される。
1950年以降には石鹸から液体界面活性剤へと変わり、なかでも「花王フェザーシャンプー」は、約80%のシェアを占めた。
1980年代中盤から朝早く起きてシャンプーをしてから通勤、通学する「朝シャン」が若い女性に流行し、
1986年には資生堂から「モーニングフレッシュ」が発売されるなど、シャンプーが手軽に、短時間でできるような商品が開発された。
シャンプーとリンスが一度で済むリンスインシャンプーのほか、裸になって風呂場まで行かずとも、洗面台で髪を洗えるシャンプードレッサーが登場した。女子学生の間でもセーラー服などの制服、セーターにミニスカート姿などの衣装着用のままでシャンプーをしてから出かける人も増え始めた。
1990年代後半に山形県で開発された「冷やしシャンプー」が、全国的に夏場に理容店で取り入れている。主にトニック系、メントール系の強いシャンプーを冷凍庫に入れて冷やしたり、氷を混ぜて冷やしたりという手法がとられている。
主要シャンプー メーカー
[海外メーカー]
P&G・・・パンテーン、H&S、ウエラ、hairrecipe
ロレアル・・・キールズシャンプー
[日本メーカー 一般製品]
ライオン
クラシエホームプロダクツ
コーセーコスメポート
サンスター・・・VO5
牛乳石鹸共進社
マンダム
[日本メーカー スカルプケア製品]
アンファー
ジャパンゲートウェイ・・・レヴール
大塚製薬
ロート製薬
上記のような有名メーカー以外にも、数百のメーカーが存在する。
参考資料