[タチジャコウソウ花／葉エキス]コモンタイムから抽出した収れん、抗炎症成分

タチジャコウソウ花／葉エキスはコモン・タイムの地上部分全部から抽出したエキスで、収れん、抗炎症、抗菌、抗酸化、血流促進、皮膚柔軟、皮膚コンディショニング、閉塞剤、香料などの多岐にわたる機能がある成分です。

タチジャコウソウ花／葉エキス

成分評価5

タチジャコウソウ花／葉エキスとは

タチジャコンソウ花／葉エキス　は、シソ科の植物である、コモンタイムの花と葉から抽出されたエキスです。

コモンタイムは、およそ350種類あると言われている、多年生植物のタイムの仲間のひとつです。芳香が良く、背丈が低いため、草と思われがちですが、20～40cmの低木の植物です。

原産国は、地中海沿岸西部、イタリア南部で、水はけ良い、乾燥した砂礫(されき)地や、粘土質あるいは石灰岩質の土壌で、乾燥した日当たりの良い場所に自生します。5～7月に、淡いピンク色の小さな花を咲かせます。和名は、タチジャコウソウですが、一般的には英名のタイムと呼ばれる事が多いです。

タイムの歴史

タイムの歴史は古く、起源1世紀に書かれた「プリニウス博物学」では、眼がはっきり見える様にする効果や慢性的な咳に効果があると言われている、タイムに酢と塩を加えた水飴状の舐剤、精神異常と憂鬱症の患者に与えていた、酢にタイムを入れてハチミツを加えた飲み薬などが使い方の例として書かれています。

古代のエジプトでは、タイムを防腐剤として、ミイラの作成に使用されたり、ギリシャ人は、神殿で焚く芳香剤や入浴剤などにして使用していました。ヨーロッパでは、ローマ人の影響で、部屋を清めるものとして使われていました。

中世には、悪夢を防ぎ安眠を助けるとして、枕の下に敷かれたりしました。また、持ち主に勇気をもたらすとして、女性が騎士や戦士にタイムの葉を添えたり、贈りものとして使用され、十字軍の時代には、北欧では、タイムは勇気の象徴とされ、騎士の肩帯にはタイムの小枝に止まった、ミツバチの絵柄が刺繍されていました。

香料としても用いられ、来世への旅路を確実なものとするために葬儀の際に棺に入れられていました。

タイムの一般的な使い方や薬効

タイムは、しばじば、肉料理特にスープに使用されます。フランス料理では、ブーケガルニ、エルブ・ド・プロヴァンスに欠かせない香辛料のひとつですし、ケイジャン料理、カリブ料理、また一般的にはサラミ、塩漬け肉などに使用されています。

コモンタイムは、魚介類にもあうため、パエリア、ソーセージ、ミートソースにも使用されます。

タイムには、生であれ加熱調理後であれ、α-アミラーゼ、α-グルコシターゼの阻害作用があり、糖尿病の予防効果が期待できます。

また、タイムは、ハーブティーとしても、古くから飲まれており、悪夢にうなされる人に効くと言われており、神経性の病気に良いという説がある。抽出液は、消毒薬、歯磨き、うがい薬、石けんなどの香料としても利用されている。

タイムの成分

タイムの主成分は、防腐、殺菌成分のチモール、刺激臭、抗酸化力のあるカルバクロールを主成分として、シモール、シネオール、リナロール、モノテルペン、トリテルペン、フラボノイド、ローズマリー酸(タンニン)、ビフェニルが含まれています

タチジャコウソウ花／葉エキスの効果・効能

タチジャコウソウ花／葉エキスは、チモール、カルバクロールの成分により、防腐作用、殺菌作用、興奮作用、強壮作用がありますので、神経系統や循環器系統の衰弱にはよく、鎮痙作用がありますので咳や喘息、不眠症にも効きます。気管支炎などの呼吸器の障害にも良いといわれます。これらはハーブ・ティーで飲む方法や手浴・足浴する方法などがあります。

また、化粧品成分として、収れん、抗炎症、抗菌、抗酸化、血流促進、皮膚柔軟、皮膚コンディショニング、閉塞剤、香料などの機能がある成分で、化粧水、乳液、クリーム、ファンデーション、サンスクリーンに使用されています。