カキタンニン

カキタンニンは、渋柿の実や、柿の葉などから発酵抽出される成分で、外用品として、収れん、防腐剤、抗菌、殺菌、消臭、抗酸化作用などがあり、経口摂取によって、脂肪分解、下痢止め、悪玉コレステロールの低減、動脈硬化予防、アセトアルデヒドの分解促進、鉄分の吸収抑制などがある機能成分です。

カキタンニン

成分評価1

カキタンニンとは

もともと、タンニンとは、植物由来の成分で、タンパク質、アルカロイド、金属イオンと反応して塩を作り出す水溶性化合物の総称です。タンニンと言う名称は、革を鞣す(なめす)という意味の英語である”tan”に由来しており、鞣革製を持つ物質の事を指す言葉です。

タンニンは特定の性質に対して冠せられる化合物の名称であるが、現在化学的な構造で分類をするため正しくないが、食品、化粧品分野については、便宜上タンニンという名称を利用している。実際広義的にはポリフェノールのひとつに数えられます。

タンニンは、大きく分けると2種類に分類され、フラバノール骨格を持つ化合物が重合した加水分解しない、縮合型タンニンと、没食子酸やエラグ酸などの芳香族化合物とグルコースなどの糖がエステル結合を形成した加水分解性タンニンの2つになる。

タンニンは口に入れると強い渋味を感じるのですが、これは、渋味という味覚は無く、舌や口腔内のタンパク質と結合して変性させる事による、痛みと触覚が混ざったものというのが一般的な考えです。そしてこのようなタンニンによる粘膜変性を「収れん作用」と呼び、渋味を収れん味とも呼びます。

タンニンの渋味は、水溶性のため唾液に混ざる事で、おこりますが、重合度を上げて不溶化する事で渋味が無くなります。これは、渋柿を干し柿にする事で、渋味が無くなる効果がそれに当たります。

タンニンの収れん作用は粘膜からの分泌を抑える働きがあり、内服する事で、止瀉薬(ししゃやく)：下痢止め　や整腸剤として使用します。そのため、タンニンを含む植物は、薬用植物とされる場合があります。

代表的な、タンニンを含む、植物として、柿、お茶、ワインなどに多く含まれています。ここでは、柿渋から取れるカキタンニンにクローズアップしてきます。

カキタンニンは、渋柿の渋柿の果汁を発酵させて作る液体成分す。可溶性のタンニンで、渋柿には1～2%程度含まれていると言われています。カキタンニンエキスは、カテキン類のうちエピカテキン、カテキンガレート、エピガロカテキン、ガロカテキンガレートが、1:1:2:2の比率で12～30分子縮合した分子量15,000程度に達する化合物でデルフィニジン系プロアントシアニジンポリマー、あるいは縮合型タンニンに分類され、未熟バナナ、イナゴマメと並び、青果三強渋味成分とされます。強力なタンパク質凝固作用を持つ事から、清酒清澄剤、防腐剤に利用されます。

また、カキタンニンには、防腐・防虫・防水効果があり、古来より日本では、木材建築の下地や塗料、和傘や漁網の塗料、衣類の染料特に、自然派素材として注目を集めているため、シックハウス症候群対策として壁塗料、さび止め、などに使用されています。また、がん細胞の活性抑制(抗酸化作用)、ノロウイルスに対する殺菌力があったりします。

また、面白い処では、携帯電話の金の回収にも使用されています。