クチナシ青はクチナシの果実から抽出された配糖体をタンパク質分解酵素によって分離して得られた、天然の着色料です。着色の他、漢方成分とし、鎮静、止血、消炎、抗菌、解熱、精神安定もある成分です。
クチナシ青
成分評価1
クチナシ青とは
クチナシ青はアカネ科クチナシの果実より抽出されたイリドイド配糖体とタンパク質の分解混合物にβ-グルコシダーゼを添加した後、分離して得られたもので、着色料製剤のひとつで、食品添加物に指定されているものです。
白い花で実は濃いオレンジ。この果実が着色料の材料として使われます。この実は、もともと黄色の天然色素として古くから使用されてきました。クチナシの主成分であるクロシン、クロセチンはカロテノイド系の物質で鮮やかな黄色い色素として使用できます。
カロテノイドはニンジンや緑黄色野菜などに多く含まれるβカテンも同様にカロテノイドの仲間です。通常カロテノイドは油脂に溶けやすい性質なのですが、クロシンは、水溶性である事から、栗などを煮たとき入れると、栗が着色されて、お節料理で欠かせない、栗きんとん、栗の甘露煮などとして使用されます。タクワンの黄色もクチナシが使用されています。
クチナシ色素は、得られる色が黄、青、赤と3色あり、その白い花からは想像出来ない、カラフルな色素を持っています。そして抽出したい色によって生成方法は異なります。一般的に使用する黄色はクチナシの実を水またはエタノールで抽出して作ります。
一方で、クチナシ青は、クチナシの実をタンパク質分解酵素であるβグルコシターゼと混ぜて酵素処理する事で、作られます。クチナシ赤も別の方法で抽出する事が出来ます
色素には、タール色素のように化学合成された色素と天然色素があり、今日では、自然食品思考もあり、天然色素の需要が増加している。赤色、黄色の色素は数多くあるのですが、青色の色素については、クチナシ青とスピルリナというラン藻から取れる、スピルリナ青の2種類しか天然にはありません。
しかし、青色の食品は、もともと少ないため、添加物として、青色色素を使用するケースが少なく、緑色や黄緑色を作るために、他の色素と混ぜて使用するケースが多いです。
ただ、クチナシ青は、お菓子、アイス、ガム、シロップ、麺、リキュール、栗きんとん、サプリメントなどにはよく使用されているもので、食品の表示の場合、クチナシ青 意外で、クチナシ、カロチノイド、クロシンなどと書かれています。
クチナシ青の効果・効能
クチナシ青は、青色の着色が目的ですが、着色以外に、クチナシの果実には、漢方成分でいう処の、山梔子(サンシシ)という別名があり、主な効能としては、鎮静、止血、消炎、抗菌、解熱、精神安定などがある。主成分のゲニボシドは高血圧、高脂血症、コレステロールの降下、ストレス緩和に効果があるとされている。(主成分のゲニポシドは杜仲茶にも含まれています。)
クチナシ青の毒性・副作用
クチナシ黄色素の主成分である、ゲニポサイドは、経口摂取での死亡例は無いものの、下痢や肝臓からの出血がおこる成分として報告がある。ただし、通常摂取量ではありえない量での結果であるため、少量であれば、問題無いと考えます。
また、クチナシの漢方薬成分である、山梔子(サンシシ)が含まれる、ツムラの3製品に、腸膜性硬化症なる、重大な副作用が出ることが、発見されました。
これは、クチナシの主成分であるゲニポシドが、腸内でゲニピンに変わり、アミノ酸と反応する事で、青い色素を発生させ、それが大腸の粘膜を部分的に青くし、腸間膜にある静脈を硬化させ、大腸の血流を阻害すると考えられています。
それによって、大腸の石灰化が発生して、結腸の一部切除に至った経緯もあります。ただし、5年以上の間、山梔子(サンシシ)が含まれる漢方薬をとり続けた結果です。ツムラは、1~2年飲み続けた人に対して、大腸検査を現在すすめている。
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参考資料
“[クチナシ青]クチナシの果実から抽出した染料成分” への2件のフィードバック