加水分解コラーゲン

加水分解コラーゲンは脊椎動物などの皮、靱帯、骨などに存在するコラーゲンを加水分解する事で、得られる水溶性の成分で、保湿、皮膚コンディショニング、ヘアーコンディショニングの効果のある成分です。

加水分解コラーゲン

成分評価５

加水分解コラーゲンとは

加水分解コラーゲンは、肌の保湿、弾力に関係するたんぱく質成分であるコラーゲンを酸、アルカリなどで分解して、分子量を低減させ、浸透性を良くしたものです。

コラーゲンは、脊椎動物の上皮脂質、真皮、靱帯、腱、そして意外と思うかもしれませんが、骨や軟骨などに存在しており、バネのような螺旋状をしたタンパク質のため弾性力があるが、そのままでは、水にも不溶な成分で扱いにくいため、加水分解する事で、低分子化しする事で、水に可溶な成分としたのが、加水分解コラーゲンです。

コラーゲンは、高分子の状態ですと、タンパク質の固まりとなっているため、肌に浸透する事はありません。肌に浸透を促すためにも低分子化させる事が必要なのです。そのため低分子コラーゲンやコラーゲンペプチドと呼ばれる形にかる必要があります。

また、コラーゲンは、もともと三重螺旋構造をしており、バネ状のため強い弾力を持っています。しかし熱に弱い成分のため、動物の皮や骨などから抽出したコラーゲンは、40℃前後、魚から抽出したものはそれ以下で、分解して、ゼラチンに変化して、一般的にゼリーなどの材料として使用されゲル化した成分です。そのため、コラーゲンを抽出する場合、温度は体温以下にする必要があります。高温にて分解すると、ゲル化してゼラチンになってしまいますが、加水分解コラーゲンの場合は、黄色から濁った透明色の液体です。

そしてコラーゲンは動物の骨や皮などを原料とする、動物由来の動物性コラーゲンと魚のうろこや骨、皮などを原料とする魚由来の海洋性コラーゲンがありますが、最近は、感染症のリスク、安全性、そして臭いの問題から、海洋性コラーゲンが一般的となっています。また海洋性コラーゲンでも魚の種類によって性質が異なり、一般的には南米原産のテラピアを使用されていますが、人の体温に近いという事で、まぐろ由来の海洋性コラーゲンが、人に馴染みやすいとされています。ただ未だにコラーゲンの抽出は、難しく、1kg 8000円程度で取引されているものもあり、今後の低価格化が必須な成分でもあります。

加水分解コラーゲンの効果、効能

加水分解コラーゲンは、水に不溶な高分子コラーゲンを低分子化さる事で、水に可溶化する事で、化粧品等にも使用しやすい成分にもなります。また、肌への浸透力が良くなり、界面活性剤の力を使わなくても、保湿力のある有効成分を浸透させる事が出来ます。

そのため、加水分解コラーゲンは、肌への浸透し保湿効果があり、髪の毛にも浸透して、ダメージ髪の補修や保護に効果を発揮します。そのため髪のツヤを良くする事が出来ます。そのためヘアコンディショニグ効果があります。同様に皮膚コンディショニング効果も期待できます。ただ、加水分解コラーゲンは、真皮まで浸透する事は無いため、表皮のみの保湿になります。また非常に爪の保湿にも効果があり、爪コンディショニングの効果が期待出来ます。

加水分解コラーゲンは髪の毛や皮膚への浸透性が良いため、界面活性剤と類似した性質がありますが、界面活性剤ではありません。

飲むサプリ等もありますが、コラーゲンを直接飲んでも一般的に胃や腸で分解されるため、効果は無いとの考え方が一般的です。しかし一部の研究意見として、コラーゲンペプチドの形で吸収される事で、肌の保湿に影響があるとの研究もあるようです。