アルギン酸Naは海藻類のネバネバ、ヌルヌルとした成分より抽出された、アルギン酸をナトリウム塩としたもので、食品添加物、染料の糊等幅広い用途で使用されており、乳化剤、増粘剤、安定剤、ゲル化剤等の機能がある成分です
アルギン酸Na
成分評価5
アルギン酸Naとは
アルギン酸Naは、海藻類に含まれる、食物繊維のひとつで、海藻類のヌルヌルやネバネバといったものの一部である。現在アルギン酸Naは、様々な用途に使用されており、一般的に、「アルギン」や「アルギン酸」と呼ばれているものが実際には、アルギン酸Naをさしているものが多い。
アルギン酸Naは、アルギン酸のカルボキシル基がNaイオンが結合した、塩です。通常アルギン酸は水に不溶ですが、アルギン酸Naの場合は、水に可溶になり、粘性のある水溶液になります。そんな水溶液に、マグルシウムウオンやカルシウムイオンを加えることで、イオン架橋反応をおこして、ゲル化します。カルシウムのイオン化を調整する事で、ゲル化時間のコントロールも可能です。
アルギン酸Naは、こうした性質があり、増粘剤、ゲル化剤、安定化剤などの日本では古くから、幅広い産業で利用されている添加物です。天然海藻類から得られたもののため、通常既存添加物と考えがちですが、ナトリウムによって、塩となっている事から、日本では指定添加物に分類されています。(指定添加物の場合、成分表示義務が発生します。)
アルギン酸Naの効果、効能
アルギン酸Naは、その機能は、多岐にわたり、主に増粘剤、ゲル化剤、安定剤などに使用される成分です。
増粘剤
アルギン酸Naは、水に可溶で、冷水や温水でも変わりません。そして水に溶かすと、粘性のある、コロイド溶液になります。粘度の大小は、アルギン酸Naの分子量に影響しており、アルギン酸を構成する、ウロン酸分子の重合度で変化します。重合度が高いと低濃度でも粘性が高くなり、重合度が低いと、粘性はあがりません。アルギン酸Na水溶液は、ニュートン流体に近い滑らかな流動性を持っている。また、カルシウムを添加する事で、チクソトロピックのような粘性にする事も可能です。そのため、アルギン酸Naは、様々な食品に対して、増粘剤として利用されています。
ゲル化剤
アルギン酸Na水溶液は、Caイオンを添加する事で、イオン架橋反応が起こって、ゲル化します。この性質を利用すると、球形や紡錘形など形で作れない形のゼリーなどが作る事が出来ます。この技術を応用して作られたのが、人口イクラや人口のフカヒレなどです。
一方で、縮合リン酸塩を利用して、カルシウムイオンをキレートする事で、アルギン酸Naとの反応を遅らせたり、酸を使って早めたりする事で、固化形状を自由に変える事が出来ます。
アルギン酸Naとカルシウムイオンを反応させたゲル物質は、熱に対して、安定で、他のゲル素材であるゼラチン、カラギーナン、寒天などと違って、加熱しても溶解しない性質を持っています。この性質は、天然ハイドロゲルの中でも、アルギン酸Naだけが持っている特異性質です。加工食品は、色々な場面で、熱を加える事があるため、耐熱性のあるゲル化剤は、重宝されるのです。
安定化剤
アルギン酸Naは安定剤としても用途があります。増粘効果と、ゲル化を組み合わせる事で、食品の物性の維持や商品価値を高める事が出来ます。
アイスクリームなどは、開発当初から使用されている最もポピュラーな使用方法で、アルギン酸Naの増粘効果を使って、きめ細かい泡を多く吹くんだ状態で凍結されて、口溶けの良いソフトな食感を生み出します。またアルギン酸Naは、牛乳に含まれるカルシウムと反応して、アイスクリームにゆるやかなゲル化反応させる事で、保管、輸送などの流通時のヒートショック等に耐えられるように、商品の安定化に役立つ機能があります。
アルギン酸Naの用途
主に食品の添加物として使用されており、アイスクリーム、ケチャップ、ジャム、ソーセージの安定剤、ベーカリーフィリングのゲル化剤、麺やパンなどの物性改良剤、たれやソースなどの存念剤、オニオンリングやオリーブのフィリングのような再成形食品の成形剤、人口イクラやフカヒレなどのコピー商品、みつ豆缶のような、寒天への耐熱性付与、フィルム形成剤、豆腐を作る時の豆腐凝固剤に使用されます。
実は食品添加物として、注目を浴びている、アルギン酸Naですが、その用途としては2割ほどで、約8割については、食品以外の用途となっています。特に多く使用されているものとしては、染色に使用される糊剤として使用される例が多く生産量の約50%以上がこの用途に使用されています。アルギン酸Naの物性は、染料が布へ浸透するのを助け、均一な染め付けを可能にする他、先着後の糊落ちが良く、生分解性が高いため排水処理への負荷も低いため、非常に優れた糊として利用されています。
また医療分野では、歯科印象剤や胃粘膜保護剤として使用していますが、アルギン酸Naの性質を利用して、再生医療の材料として、軟骨の再生などが研究されています。アルギン酸Naは、天然の食物繊維でもあるため、適度な摂取によって、別宇の改善にも繋がります。そして低分子のアルギン酸Naは、特定保健食品として、コレステロールの排出に利用されており実用化もされています。
その他、紙のコーティング剤、ペットフードのゲル化剤など広い用途で使用されている。
アルギン酸Naの毒性、副作用、安全性
アルギン酸とその塩類である、アルギン酸Naは、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)によって評価されており、許容摂取量は特定しないという判定基準となっています。そのため安全性が高く安心して使用できる添加物です。
ラットに対する動物実験でアルギン酸Naを5%、10%加えたエサを10週間与えた実験では、体重増加に僅かな遅れが観察された他、水溶性食物繊維の粘性によって、血糖上昇抑制効果がありました。また、二糖類分解酵素の阻害による血糖上昇抑制効果も認められた研究もあります。ビーグル犬への動物実験で、アルギン酸Naを15%加えたエサを約1年間与え続けたが、体重、行動、血液、血糖等一般症状に変化は無かった。また、人への投与について1日8gを1週間与えたが毒性等は認められなかった。
アルギン酸については、もともと海藻に含まれているもののため、毒性は現れないとされているが、ナトリウムの過剰摂取につながるため、こちらは問題視されている。
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参考資料
食品添加物事典 アルギン酸ナトリウム 【危険度2】 増粘剤や安定剤、ゲル化剤
“[アルギン酸Na]海藻類のネバネバから抽出された乳化剤” への1件のフィードバック