天然の界面活性剤は、実は私たちの身の回りにも多く存在しています。サポニンやリン脂質、ペプチドなどのように天然成分としてもともと自然界の中に存在するものを言います。
界面活性剤と聞いて、石けんやシャンプーの材料を想像して化学合成されたもののように思うかもしれませんが、実は天然の界面活性剤は存在しています。
天然の界面活性剤の使われ方
そもそも界面活性剤とはなんでしょう
界面活性剤とは、字のごとくですが、”界面”を活性化するもの。
その界面というのは何?これは水と油の間の事を言います。この界面活性剤は、水と油の仲を取り持つ働きを持っています。
そのため界面活性剤は、水と油両方の性質を持った物質でそのため油と水を混ぜる事が出来ます。アルコールもある意味界面活性剤となります。
天然の界面活性剤
天然の界面活性剤として大きな機能として乳化と洗浄の2つがあります。
天然の界面活性剤による乳化
卵黄に含まれる卵黄レシチン、大豆に含まれる大豆レシチンは食品の乳化剤として、生活に身近ななものとなっています。マヨネーズを作るときに卵、油、酢がきれいに混ざるのは、天然の界面活性剤の卵黄レシチンの働きです。
これは、一般的に乳化現象と言われるもので、実は牛乳も同様です。牛乳などの乳製品についてはカゼインという、たんぱく質の一種、が含まれており、これが、天然の界面活性剤として乳化を行います。
自然界には、多くの界面活性剤が存在しています。
天然の界面活性剤=洗剤
と考えると灰汁(アク)があります。
川で洗濯をすると、汚れが落ちやすい場所がある場合これは、灰汁(アク)の影響です。
灰汁とはなんでしょう
灰汁(あく)とは、木の灰を水に溶かした上澄み液です。植物はアルカリ性の成分を含んでおり焼いて灰になることで析出し、アルカリ溶液として汚れを落とす事が出来ます。
石鹸の始まり
天然の界面活性剤として、実は石鹸が自然界にあります。石鹸は、動植物の油脂とアルカリがケン化反応したものですが、自然界でおこるのは、山火事です。山火事によって、動物が焼けて脂肪が溶け出して灰に落ちる事で、反応が起こり自然の石鹸が誕生します。
天然の界面活性剤が天然の石鹸に!
もうひとつの機能としては、洗浄があります。ヘチマの茎、抹茶、ムクロジの実、サイカチのサヤおよび実などの植物またヒトデ、ナマコといった生物などに含まれている成分である、サポニンは、天然の界面活性剤ですので、石けんの無かった時代に洗浄剤として使われてきました。
石鹸以外の天然の界面活性剤
一般的に 乳化剤と言われるものが、実は界面活性剤の一種です。メジャーなものとしては、牛乳に含まれる、カゼインナトリウムや大豆や卵黄に含まれる、レシチン、キラヤ(マメ目分類されている植物)に含まれるサポニンがあり。実際このサポニンも石鹸のかわりに以前は、南米の現地では、使用されていたとの事。レシチンもマヨネーズを作るのに必要なものなのです。
天然の界面活性剤と洗剤の関係
天然の界面活性剤として、植物の実、灰などの汚れ落としを昔は行ってました。近代に入り、合成洗剤が普及、実際ここ60年位で急激に増えています。ソープナッツと呼ばれる木の実を洗濯に使っている人がいます。日本名は、ムクロジ。天然の界面活性剤であるサポニンを豊富に含むその 果実は、石鹸が普及する前には洗濯によく使われ、硬く黒いその種は羽子板の羽根や数珠としても活用されてきました。
東京家政学院大学の研究結果によれば、ムクロジの実の洗浄性は標準洗剤の50%もあるとか。「エコ洗い」をめざす人たちは、この実をエコ洗剤と呼んで、洗濯や食器洗いに使っているのです。また、セスキ炭酸ソーダなどアルカリ剤だけで洗濯する人も。アルカリ剤は皮脂など油汚れを分解する自然界に存在する無機質の物質で、流しても環境に負荷は低いです。
いずれも、さっぱりした洗い上がりになるものです。軽い汚れの時には、こうしたものを使ってみるのもいいでしょう。環境に与える影響を考えると、水や植物の実、天然の界面活性剤などと比較して、合成界面活性剤は人や環境への影響が大きい。
化粧品と界面活性剤
化粧品の多くは界面活性剤が使用されています。「汚れを落とすため?」違います。人間皮膚は、表面を油の膜でコーティングされています。これが皮脂です。
この皮脂のおかげで、病気の原因になる外敵(細菌、カビ)から体をガードしています。化粧品の多くは、有効成分を皮膚に染みこませなければなりません。その時に皮脂が実は邪魔をするのです。そのため、皮脂のガードを崩して有効成分をいれやすくするために、界面活性剤が使用されています。
有効成分は良いかと思いますが、あまり使いすぎると界面活性剤が沈着するため、恒久的に皮脂のガードが落ちてしまい。免疫力にも影響するので、使いすぎは注意した方が良いかと思います。
天然の界面活性剤は、化粧品に使われている?
化粧品には、残念ながら天然の界面活性剤はほとんど使用されていません。
それは、食品より長期の品質維持をしなければいけないからです。オーガニック、自然派化粧品と言われているものでも、天然の界面活性剤をそのまま使用するのでは無く天然系界面活性剤にすこし加工をしたものを使用します。
例えば、「レシチン」に水素を添加した「水添レシチン」にすることによって「レシチン」より品質の安定性や乳化性能も向上したものを作ります。この 水添レシチンが、オーガニック自然派化粧品には使用されています。その他、天然系と言われている、界面活性剤としては、
- 洗浄剤:ラウロイルメチルタウリンNa(アミノ酸系)、ミリスチン酸K(石鹸)等
- 乳化剤:ステアロイル乳酸Na、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビタン等
しかし、市場にある大半の化粧品、シャンプーは、このような天然系の界面活性剤ではなく、一般的に石油系成分を起源とした界面活性剤を多く使用します。
天然の界面活性剤、合成界面活性剤の役割
天然の界面活性剤、合成界面活性剤両方とも、油と水を混ぜる機能があります。汚れを落とす目的で、シャンプーや石鹸に使用され。また、乳化、浸透を目的とするため化粧品、軟膏のようなものに使用されています。天然、合成に限らず、これらは、人が使用する場合、皮膚のバリアを一時的に壊す事で、有効成分を浸透させたり、汚れを落としたりします。
そのため、ご使用になる場合、成分や使い方については、十分注意が必要なものです。
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参考文献