メチルパラベンは、正式名称 パラオキシ安息香酸メチルで、一般的に言われるパラベンのひとつで、防腐剤として使用されるものです。パラベンの中では、1番水溶性の高い防腐剤で、肌への刺激が少ないものです。
メチルパラベン(Methyl 4 hydroxybenzoate)
成分評価 3
メチルパラベンとは
メチルパラベンは、正式名称 パラオキシ安息香酸メチル(methyl-4-hydroxybenzoate)で、化粧品成分などの防腐剤として幅広く使用されているものです。メチルパラベンは水溶性のため、肌への吸収されにくい成分でもあり、無味無臭の非刺激性成分です。
メチルパラベンは、化粧品で使用した場合の表示名ですが、医薬部外品としても使用出来る成分で、その場合は、パラオキシ安息香酸メチルと表示されます。
メチルパラベンは、パラベン類の中で1番殺菌力の低い成分のため、殺菌出来ない細菌等があるため、単独で使用する事は少なく、他のパラベン類やオーガニック製品でよくみかける、フェノキシエタノールなどと混合して使用される事が多いです。それによって全体の使用割合を減らす事が出来ます。
メチルパラベンの使用上の背景
パラベンは1920年代頃より使用されている古くから使用されている防腐剤です。
現在パラベンは、化粧品でも、パラペンフリーやパラベンフリーなどと、表示されるほど、非常に嫌われもの扱いとなっています。これのきっかけとなったのが、2005年8月25日の朝日新聞の記事です。ここでは、京都府立医科大生体安全医学講座の吉川敏一教授らの実験によって、パラベンを直接皮膚に直接塗って、紫外線をあてたところ、通常量の約3倍もの過酸化脂質が発生するとの結果で、過酸化脂質が増加する事で、シミやシワが増加するとの見解で化粧品に激震が走り、パラベンフリーなるものが注目を集めるようになりました。
試験は直接パラベンを皮膚へかなりの量を塗布するなど、かなり過激な試験をしていますので、加速試験としてとらえる必要があります。単体では、防腐作用のある成分ですので、刺激はある方ですが、実際、化粧品に含まれるパラベンについては、配合規制があるため、1%以下と定められています。また現実の配合量として0.1~0.3%と非常に低濃度しか入っておらず、ほとんど影響が無いと言ってよいでしょう。
しかし、未だパラベンフリーが非常に根強い認識となっています。しかし化粧品は、多くの美容成分が入っており、3日とかからず腐敗するものなのです。そのため必ず防腐剤が必要になります。つまりメチルパラベンに変わる防腐剤が入っているのです。それがパラベンより安全かと言うと、疑問視されるケースが多いのも否めません。
メチルパラベンのように防腐剤としての機能はありますが、水溶性防腐剤のため、皮膚に染みこむ事は、非常に少ないため、安全性は、比較的高いといえる成分です。また、実は野菜にも含まれている成分であり代表的な野菜としてニンジンやトマト、ブルーベリーなどがあります。また抗酸化成分、抗菌作用として注目を集めている、菜種油、オリーブ油などにも含まれています。そして体内に入った場合、容易に分解されて、パラヒドロキシ安息香酸に変化して体外に排出されます。
メチルパラベンの効果、効能
メチルパラベンは一般的に防腐成分、香料として使用されます。化粧品類のような栄養成分が豊富なものは、防腐剤成分が入らないと、一日で腐敗をしてしまうため必要不可欠な成分でもあります。
メチルパラベンはグラム陰性菌、グラム陽性菌の防腐性能がありますが、グラム陰性菌よりもグラム陽性菌の方が抗菌活性が高い傾向があり、カビ、酵母、細菌などの幅広い防腐性能があります。
またメチルパラベン単体で使用するよりも、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ベンジルパラベンと複数のパラベンを配合して使用した方が防腐成分として強くなり、全体の使用量を減らす事が出来ます。
メチルパラベンの毒性、副作用、安全性
メチルパラベンは、防腐剤のため、高濃度で使用する場合、刺激があるため、それ単体では毒性があるといっても差し支えないでしょう。また、厚生労働省が定めたポジティブリストによる、「パラオキシ安息香酸エステル及びそのナトリウム塩」にあたる事で最大使用量は、防腐剤割合は1%以下と決められています。
しかし、パラベン類は全体的に防腐剤効果が高く、対応する菌も多いため、実際の使用量は、0.1~0.3%となっているため、影響度もかなり低いものです。
実際メチルパラベンは食品にも使用されており、ソーセージ、ウインナー、ハムなどの加工食品には必要不可欠な防腐剤でもあります。実は米国ではメチルパラベンは、GRAS((Generally Recognized As Safe)に入っており、一般に安全と認められる物質となっています。ただ、食品中の配合上限としては0.1%となっています。欧州でも同様に食品にも使用が許可されている成分です。
成分が含まれる製品一覧
キールズ シャンプー(日本ロレアル株式会社)
守り髪(株式会社ティエラコスメティクス)
ちふれ シャンプー(株式会社ちふれ化粧品)
botanist シャンプー(株式会社I-ne(イーネ))
伊豆工房(株式会社カッパーゲート)
成分が含まれるその他の商品一覧
みそのつるつるクリームN
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リモイストクリーム(やわ肌タイプ) 30g
セザンヌ ナチュラルチークN 14 ラベンダーピンク 4.0g
参考資料
無添加・パラペンフリー化粧水は肌に優しい?メチルパラベン(防腐剤成分)の真相とは
“[メチルパラベン]食品にも使用されるポピュラーな防腐剤成分” への10件のフィードバック