ヤグルマギク花エキス

ヤグルマギク花エキスはヨーロッパの山間部や地中海沿岸が原産のキク科の植物である、矢車草から抽出されたエキスで、殺菌、抗炎症、収れん、皮膚コンディショニング等の効果がある成分です。

ヤグルマギクエキス

成分評価３

ヤグルマギク花エキスとは

ヤグルマギク花エキスは、キク科の植物である、ヤグルマギク(Centaurea cyanus)の花から抽出されるエキスです。

ヤグルマギクは、原産地はヨーロッパの山間部のキク科の植物で、花は白、ピンク、青、紫、紅、黒などがあります。特に青色は、マリーアントワネットが好んでいたと言われています。また食用として、珍重されてきた植物でもあります。

日本語で、矢車草や矢車菊と呼ばれるように、日本にも、明治中期あたりに入って来た植物です。

そして漢方薬でも使用されている植物で、その場合は、ヤグルマソウと表示されます。

しかし一般的にヤグルマソウと言うと、ユキノシタ科のヤグルマソウの事を指しますので、ヤグルマギクとは、別の植物となります。

ヤグルマギク花エキスは、黄褐色～褐色の液体で、わずかに特異のにおいがある成分です。またヤグルマギクエキスの成分としては、アントシアン、シアニン、アントシアニジン誘導体、クマリン誘導体、フラボノイドなどが含まれています。

非常に有効成分の多いヤグルマギクですが、繁殖力が強い事もあり、麦畑を荒らす強害雑草とされている植物でもあります。

ヤグルマギクに関する伝説

ヤグルマギクは、英語の俗名でCentaureaと呼ばれているが、これはギリシア神話に出てくる上半身が人間で下半身が馬の半身半獣の怪物ケンタウロスが傷を受けたときに、ヤグルマギクの葉で治したという伝説があります。

現在ドイツの国花は、実はヤグルマギクですが、これは19世紀にナポレオンの侵攻にあった時、首都へベルリンから逃れた当時の王妃があるルイーゼが、王子たちと身を隠した麦畑で、王妃が近くにあったヤグルマギクを冠にして王子にかぶせた事に由来し、この王子が後のドイツ皇帝ヴィルヘルム1世で、その時の思い出を忘れないため王冠にヤグルマギクの花を紋章にしたと言われています。そのためカイゼルの花(皇帝の花)とされ、それが現在国花として採用されています。

考古学者のハワード・カーターが1922年に王家の谷でツタンカーメンの墓を発見した時に、ツタンカーメンの黄金の棺の中に、枯れたヤグルマギクの花のリーフがあったとされていますが、実際あったのは、ワニナシの束で、ヤグルマギクの花束については、テレビ番組でのねつ造報道であったとの事です。

ヤグルマギクは、マリーアントアネットが好んだ花で、自らデザインした食器には、ヤグルマギクと真珠をモチーフとしたデザインで「小花散らし」というのが、彼女のデザインに由来したもののようです。

ヤグルマギクの鮮やかな青色は、最上級のサファイヤのブルーの事を、コーンフラワーやコーンフラワーブルーと呼ばれており、これはヤグルマギクが、とうもろこし畑の横に生えていた事から名付けられたとされています。